セキュリティエンジニアはきつい?やめとけと言われる理由を解説

「セキュリティエンジニアはきつい」という声を耳にして、転職や転向を迷っていませんか。
たしかに障害対応や常時の学習など、精神的負荷の高い側面は否定できません。
しかし一方で、組織の安全を守る社会的意義や、市場価値が下がりにくい専門性の高さから、需要は年々高まっています。
本記事では「セキュリティエンジニアがきつい」と言われる理由を実務ベースで解き明かしつつ、適性・将来性・年収まで専門的な視点で整理し、後悔のないキャリア判断ができるよう解説します。
セキュリティエンジニアはきつい?仕事内容から見る大変さ

セキュリティエンジニアが「きつい」と言われるのは、業務特性が深く関係しています。
サイバー攻撃が高度化・常態化するなかで、求められる責任と稼働の幅が広がっているためです。
ここでは現場で語られる代表的な大変さを、ポジティブな側面とあわせて整理していきます。
プレッシャーと責任の重さ
セキュリティエンジニアには、組織の情報資産を守り抜く重い責任が伴います。
その理由は、扱う脅威そのものが年々深刻化しているためです。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として「ランサム攻撃による被害」が引き続き上位に位置づけられており、企業にとって最優先で備えるべきリスクとされています。
実際、警察庁の集計では、2025年(令和7年)のランサムウェア被害の報告件数は226件にのぼり、依然として高い水準で推移しています。
一見不審なアクセスが、実は新サービスのリリースに伴う正当な通信である場合もあり、限られた情報の中で事業への影響を見極める判断力が問われます。
ただしこの責任の重さは、裏を返せば組織から最後の砦として信頼されている証でもあります。
自分の判断が会社全体の安全を左右するという実感は、他の職種では得難いやりがいにつながります。
参考:IPA(情報処理推進機構)|情報セキュリティ10大脅威 2026
参考:警察庁|令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
不規則な労働時間
サイバー攻撃は何時に発生するかがわからないため、労働時間が不規則になりやすい点も大変さの一つです。
攻撃者は企業の隙を狙うため、インシデントが深夜や休日に発生し、緊急対応が求められる場面が起こり得えます。
警察庁の資料によると、被害に遭った組織のうち復旧に1週間以上を要したケースは約半数にのぼり、ひとたび有事となれば対応が長期化する可能性があります。
一方で、平時はルーティンワークに縛られにくく、稼働量を自分で選べる環境であれば、この不規則さはむしろ柔軟性へと転じます。
参考:警察庁|令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
終わりのない学習
セキュリティ領域では、知識を学び続ける姿勢が欠かせません。
攻撃手法や脆弱性は日々進化しており、昨日まで有効だった対策が通用しなくなることも珍しくないからです。
実際、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が第3位に初めてランクインしました。
警察庁の令和7年上半期の資料でも、生成AIを利用したマルウェアがメールに添付され、政府機関に送付される事案が海外で確認されており、学習すべき範囲は拡大し続けています。
この終わりなき学習は負担に感じられがちですが、見方を変えれば一生市場価値が落ちにくい強みになります。
学び続けることがそのまま自身の参入障壁を高めることにつながり、専門家としての価値を高め続けられる職種なのです。
参考:IPA(情報処理推進機構)|情報セキュリティ10大脅威 2026
参考:警察庁|令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
成果が見えにくく評価されにくい
セキュリティ業務は成果が可視化されにくく、評価されにくいと感じる人もいます。
「何も起こらなかった」ことが最大の成果であり、その価値が周囲に伝わりづらいためです。
たとえば堅牢な防御体制を築いても、攻撃を未然に防げばその功績は表面化しません。
しかしこれは、組織の当たり前の安心を支えるプロフェッショナルとしての最高峰の仕事だと言えます。
縁の下で組織を守る姿勢に誇りを持てる人にとっては、大きな充実感を得られる領域です。
セキュリティエンジニアがやめとけと言われる具体的な理由とは?

「セキュリティエンジニアはやめとけ」という声の背景には、離職につながりかねない現実的な課題が存在します。
ただし、適性次第で評価が大きく分かれる職種であることも、あわせて押さえておきましょう。
セキュリティエンジニアがやめとけと言われる理由
「やめとけ」と言われる背景には、これまで述べてきたような業務負荷の高さが大きく関係しています。
責任の重さ、不規則な対応、終わりのない学習が重なると、人によっては大きなストレスになるためです。
加えて、専門性が高いがゆえに未経験からの参入ハードルが高く、最初の一歩でつまずく人もいます。
しかし、これらはあくまで適性とのミスマッチから生じるものです。
「やめとけ」が全員に当てはまるわけではなく、向いている人にとってはむしろ天職となり得ます。
やめとけが当てはまる人の特徴
ここからは、「やめとけ」が当てはまりやすい人の特徴を具体的に見ていきます。
自身の傾向と照らし合わせ、適性を冷静に判断する材料にしてください。
学習意欲がない・最新情報を追うのが嫌い
学び続けることが苦手な人には、セキュリティエンジニアは厳しい職種です。
前述のとおり、攻撃手法や技術は絶えず変化し、知識のアップデートが業務の前提となるからです。
新しい脅威や脆弱性の情報を自ら追う作業を「面倒だ」と感じてしまうと、すぐに知識が陳腐化します。
逆に言えば、知的好奇心を持って学べる人にとっては、成長を実感しやすい魅力的な領域です。
緊急事態やプレッシャーに弱い
強いプレッシャーや突発的な事態に弱い人も、適性面で注意が必要です。
インシデント発生時には冷静な判断と迅速な対応が求められ、精神的な負荷がかかるためです。
混乱した状況でパニックに陥りやすい人は、対応の質が落ちてしまう恐れがあります。
一方で、緊張感のある場面でこそ集中力を発揮できる人には、やりがいの大きい仕事となります。
コミュニケーションを避けたがる
人との対話を避けたがる人にとっても、想像以上に負担が大きい職種です。
セキュリティ対策は技術だけで完結せず、他部署への説明や全社的な啓発が欠かせないからです。
専門知識のない相手にリスクを噛み砕いて伝える場面は、日常的に発生します。
技術力に加えて調整力を発揮できる人ほど、組織の中で重宝される傾向があります。
決まりやルールを守るのが苦手
ルールや手順を守ることが苦手な人も、適性に欠ける可能性があります。
セキュリティは規程やポリシーに基づいて運用され、厳密な手続きの遵守が信頼の基盤となるためです。
自己流で例外的な対応を続けると、それ自体が新たなリスクの温床になりかねません。
物事を体系的・厳密に進められる几帳面な人ほど、この仕事で力を発揮しやすいと言えます。
セキュリティエンジニアはなくなる?AI時代の将来性

「AIに仕事を奪われるのでは」という不安を持つ人もいるでしょう。
結論から言えば、サイバー攻撃が高度化し続ける現代において、その専門性の重要度はむしろ拡大し続けると考えられます。
セキュリティエンジニアはAIに仕事を奪われるのか
セキュリティエンジニアの仕事がAIに完全に奪われる可能性は、現時点では低いと考えられます。
AIによって攻撃が自動化・高度化する一方で、それを防ぐ高度な人材の需要も同時に増しているからです。
経済産業省の調査では、日本のセキュリティ人材は深刻に不足しており、国内で約11万人が不足しているという民間調査も示されています。
つまり、AIが脅威を増幅させるほど、守り手としての価値は高まる構造にあります。
仕事が消えるのではなく、求められる役割が変わっていくと捉えるのが適切です。
参考:経済産業省|サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ
AI時代生き残るための条件
AI時代に価値を高め続けるセキュリティエンジニアには、AIを脅威ではなく使いこなす対象として捉える視点が欠かせません。
攻撃側・防御側の双方でAI活用が急速に進む今、技術トレンドを追うだけでは差別化が難しくなっています。
ここでは、これからの時代に求められる3つの条件を解説します。
AIの弱点とAI時代の攻撃手法を熟知する
AI自体の弱点と、AIを悪用した新たな攻撃手法への理解が、防御を設計する前提になります。
生成AIを組み込んだマルウェアや、AI特有の脆弱性を突く攻撃がすでに現実のものとなっているためです。
実際、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、間接プロンプトインジェクションのようなAIを狙う攻撃に加え、従来型のサイバー攻撃がAIによって半自動化・高速化されている実態が指摘されています。
攻撃側がどう進化しているかを知ってこそ、的確な防御策を打てるのです。
参考:IPA(情報処理推進機構)|情報セキュリティ10大脅威 2026 解説書[組織編]
参考:Google Threat Intelligence Group|GTIG AI Threat Tracker
AIを防御の武器として使いこなす
AIを防御側のツールとして積極的に活用できる人材は、これからますます重宝されます。
膨大なログの監視や脅威検知といった作業は、人手だけで網羅するのが限界に達しており、AIによる自動化で精度とスピードを大きく高められるからです。
たとえば、AIを使った異常検知でアラートの一次選別を任せ、人間は重要度の高い事象の分析に集中する、といった分業が現実的になっています。
AIに任せる業務と人間が判断すべき業務を切り分けられる人ほど、高い価値を発揮できます。
上流工程と総合判断に軸足を移す
定型作業が自動化されるほど、人間にしかできない上流工程と総合判断の重要性が増していきます。
セキュリティ戦略の立案やリスクの優先順位づけは、組織の事業内容や予算、リスク許容度を踏まえた人間の判断が欠かせないためです。
ツールが検知できるのは「何が起きたか」までで、「それが自社にとってどれほど重大か」「限られた予算をどこに割くべきか」を決めるのは人の役割です。
技術の実装力に経営目線の判断力を掛け合わせられる人材こそ、AI時代を生き抜いていけます。
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴

セキュリティエンジニアへの適性は、単なる技術力の有無だけで決まるものではありません。
性格特性や「好きで続けられるか」という観点も、長期的なキャリアを左右します。
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
向いている人に共通するのは、探究心と粘り強さ、そして責任感です。
技術が常に変化する領域では、自ら学び続ける意欲がそのまま成果に直結するからです。
たとえば未知の脅威に直面しても、原因を粘り強く追究できる人は問題解決力を発揮します。
加えて、地道な作業を厭わず正確にこなせる几帳面さも、信頼される技術者の条件です。
こうした特性を楽しいと感じられる人ほど、この仕事で長く活躍できます。
セキュリティエンジニアの適性チェック
以下のチェックリストで、自身の適性を客観的に確認してみましょう。
向いている人の項目に多く当てはまるほど、適性が高いと考えられます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 新しい技術を学ぶのが好き | 学習を負担に感じやすい |
| 緊張感のある場面で集中できる | プレッシャーに弱い |
| 地道で細かい作業が苦にならない | 大雑把な作業を好む |
| 相手に合わせた説明が得意 | 人との対話を避けたい |
| ルールや手順を正確に守れる | 自己流で進めたい |
セキュリティエンジニアは楽しい?やりがいを感じる瞬間

きつい側面がある一方で、セキュリティエンジニアには高度専門職ならではの面白さがあります。
ここでは、現場で楽しいと実感できる代表的な3つの瞬間を紹介します。
難しいセキュリティ設計や問題を解決できた時
複雑な課題を自らの力で解決できた瞬間は、大きな達成感を得られます。
セキュリティ設計やインシデント対応は高度な知識と論理的思考を要する、知的挑戦の連続だからです。
たとえば巧妙な攻撃の侵入経路を突き止め、対策を講じて防ぎきれたときの手応えは格別です。
難題であるほど、解決したときの喜びは大きくなります。
パズルを解くような感覚で課題に向き合える人には、この上なく楽しい仕事です。
会社や社会の安全を支えていると実感できた時
自分の働きが組織や社会を守っていると実感できる点も、大きなやりがいの一つです。
セキュリティは社会インフラや人々の生活を陰で支える、公共性の高い役割を担っているからです。
重要なシステムを攻撃から守り抜いたとき、その貢献は計り知れません。
目に見える成果として称賛されにくい側面もありますが、そのぶん強い使命感を原動力にできる人にとっては、深い充足感を得られる仕事です。
縁の下で社会を支える誇りこそ、この仕事の醍醐味と言えるでしょう。
学習を通じて専門家として成長を感じられる時
学びを重ねて専門性が高まる過程そのものに、楽しさを見出せます。
セキュリティ領域は学習が市場価値に直結しやすく、努力が成長として実を結びやすいためです。
新たな資格の取得や、最新技術を業務に活かせた瞬間には、確かな手応えを感じられます。
専門家として着実にステップアップしていく実感は、強いモチベーションになります。
学び続ける姿勢が報われやすいことも、この職種の魅力です。
まとめ

セキュリティエンジニアがきついのは事実ですが、それは高需要・高専門性の裏返しでもあります。
人材不足が続く中で需要は高く、AI時代でも価値が落ちにくい領域です。
キャリア次第では高年収や柔軟な働き方も十分に狙えます。
特にフリーランスの案件なら、本記事で紹介したようなやりがいのある仕事に主体的に関われます。
Expertyは月額100万〜160万円の高単価案件が過半数です。
またゼロトラストやNIST、GRC導入など最先端かつ高度な上流案件を網羅しておりセキュリティ領域の案件が充実しています。
セキュリティ領域で成長を実感し、自分らしく挑戦したい方は、ハイクラス案件を扱う「Experty」への参画もぜひ検討してみてください。

記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。