未経験でコンサルになるのは可能?実態と考えられるキャリア設計についてご紹介 未経験からコンサルへの転身は可能!実態やキャリア設計、経験者の実体験を紹介

コンサルタントはさまざまな業界で高いニーズがあり、近年は未経験者の求人も増えています。コンサルに興味がある人のなかには、未経験から挑戦しようとしている人も多いでしょう。 

この記事では、未経験からコンサルタントになることは可能か、キャリア例や年収・案件単価の相場などを詳しく解説します。実際に未経験からコンサルタントに就いた人のインタビューも紹介しますので、コンサルタントへの転身を考えている人はぜひご覧ください。

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そもそもコンサルタントは何をする仕事?

コンサルタントとは、企業の課題解決に向けて相談や提案を行う仕事です。英語の「Consult(相談する)」という単語に由来しており、顧客が自力では解決できない課題について相談やアドバイスをする専門家やパートナーという意味があります。

 現状分析を通した課題把握や解決に向けた情報収集は、どの職種のコンサルタントにも共通する仕事内容です。加えて、経営ビジョンの策定や具体的なアクションプランの立案、実行支援までを担当する場合もあり、企業の良きパートナーとしての役割を担います。

 コンサルタントは、主に以下の2パターン存在します。

・ITや組織人事の専門コンサル

・企業の根幹に関わる専門コンサル

特定の領域を専門とするITコンサルや組織人事コンサル、企業の根幹に関わる経営コンサルや戦略コンサルなど、細かく分かれた職種が特徴です。また、外資系コンサルティングファームや日系コンサル企業など、所属する企業によっても業務内容や働き方は異なります。

未経験でコンサルタントになるのは可能!

未経験でもコンサルタントになることは可能です。コンサルタントとして活動するうえで必須の免許や資格、経験はないため、専門領域や実務経験を活かしてコンサルタントに転身できます。

多くの場合、各コンサルタントが持つ専門領域のスキルを持ち寄り、クライアントを支援します。そのため、事業会社勤務でコンサルタント未経験でも、求められる専門知識にマッチすれば案件を獲得し、コンサルタントとして活動することが可能です。

コンサル市場の今

コンサルティング市場は拡大傾向にあり、コンサルタントのニーズは年々高まっています。「業界動向Search.com」によると、2014~2020年にかけてコンサルティング業界規模は年々増加しています。

IDC Japanによる「国内コンサルティングサービス市場(2021年7月)」のデータでは、2020年のコンサル市場規模は8,623億円と前年比1.1%増でした。

なかでも、「デジタル関連ビジネスコンサルティング」市場は、2020年は前年比29.3%増の1,337億円と伸び率が高いことを指摘しています。 同社は、2025年にはコンサルティング市場規模は1兆2551億円に達すると見ており、今後も拡大傾向が続くでしょう。

コンサルティングファームも未経験者を積極採用中!

市場拡大に伴い、多くのコンサルティングファームでも未経験者の採用が増加しています。政府も推奨するDX対策やAI、5Gなどの最新IT技術の浸透といった社会的な流れのなかで、事業成長や業績向上への経営課題を抱える企業が増えています。

また、アフターコロナを見据えた戦略策定や組織改革を含めて、コンサルティング人材が不足している状況です。 現在は、各社が事業拡大や組織強化に向けて、人員を増強するために採用枠を増やしているタイミングです。

募集枠が多い分、ライバルの候補者が多くても内定確率はキープされており、未経験からでもコンサルタントに転職するチャンスは多いでしょう。

未経験でフリーコンサルタントになるのも一つの手

未経験からフリーコンサルタントになる方法も一つの選択肢です。次のキャリアにコンサルタントを検討している場合、今の仕事や職場環境から離れる前に個人でコンサルティングをスタートすれば、少しずつ経験を積むことができます。

また、現職を辞めずに副業としてフリーコンサルタントにトライすれば、適性の判断も可能です。 今の職場での経験や専門知識を活かしたコンサルティングは、フリーコンサルタントとして活躍するための近道といえます。

自分が持つ強みや専門スキルを違う業界で活用することで、未経験からのスタートでもコンサルタントとしてのキャリアアップに役立ちます。

未経験のフリーコンサルタントにおすすめする3つの能力

未経験のフリーコンサルタントにおすすめする3つの能力

未経験のフリーコンサルタントとして活躍するためには、主に下記の能力が重要です。

①英語力:海外展開を目指す企業に注目される

②SAPの認定資格:データ管理能力として幅広く注目される

③公認会計士:財務状況の専門性でクライアントから注目される

フリーコンサルタントの業界は激戦区です。ライバルが持っていない能力で差をつけましょう。

英語力:海外展開を目指す企業に注目される

海外展開を目指す企業のコンサルティングを担当するためには、英語力が必須です。グローバル化や少子高齢化による内需の縮小などの要因により、企業が生き残るためには国際展開が欠かせません。世界で大々的に使用されている英語のスキルがあれば、企業からの注目度は高まるでしょう。

また、国際市場をいち早く理解するためには、世界のニュースを直に見聞きする必要があります。英語の読解力が優れていれば、世界情勢を素早く把握してコンサルティングの需要を見極められるでしょう。

SAPの認定資格:データ管理能力として幅広く注目される

SAP(エス・エー・ピー)の認定資格があれば、データ管理能力の持ち主として注目されます。SAPは膨大なデータ管理を得意とする製品です。財務状況や人事、生産コストなど、さまざまなデータを一元管理するシステムとして活躍しています。膨大なビッグデータを業務に活かすためには、データを効率的に管理できるシステムが欠かせません。

SAPは企業ごとに機能をカスタマイズできるため、業界の種類に関係なく利用できるシステムです。業務効率化やコスト削減、在庫管理の最適化など、企業の幅広い問題に対応できます。

公認会計士:財務状況の専門性でクライアントから注目される

公認会計士の資格があれば、経営改善のプロとして注目されます。財務状況を正確に理解できるスキルにより、企業が抱える問題を正確に把握できるコンサルタントとして重宝されるでしょう。コンプライアンスの遵守を厳しく求める企業からも、信頼性を勝ち取りやすくなります。

どんな企業も業績向上の悩みを抱えているため、財務状況を的確に判断できる公認会計士は、業界を問わず活躍できる可能性の持ち主です。

未経験でコンサルタントを目指す場合のキャリア設計の例2選

未経験でコンサルタントを目指す場合のキャリア設計の例2選

未経験からコンサルタントを目指す場合のキャリアパス例を2つご紹介します。

未経験でコンサルタントを目指す場合のキャリア設計の例①:転職先としてコンサルティングファームを選択

未経験からコンサルタントを目指すために、転職先にコンサルティングファームを選択する方法があります。コンサルタントのキャリアを積む方法としてメジャーで、コンサルタントのサポート体制など周辺環境を知るうえでも役立ちます。

 例えば、マーケティング業界に長く勤めたあと、経営コンサルタントとしてコンサルティングファームに入る、またITエンジニアの実績があり、ITコンサルタントに転身する、といった方法です。実際に中途採用されている未経験のコンサルタントには、営業や人事、管理職、国家公務員、医師など多種多様なバックグラウンドを持つ人も多く見られます。

 コンサルティングファームでも未経験歓迎の募集が出ていますが、採用の間口は狭く、簡単に勝ち取れる仕事ではありません。特定の業界経験を積み、難易度の高い金融や法律関連の資格を取得すれば、採用確率を高められるでしょう。

未経験でコンサルタントを目指す場合のキャリア設計の例②:副業でフリーコンサルタントになる

副業でフリーコンサルタントを始めるのも、未経験からコンサルキャリアを構築する一つの方法です。未経験だと案件を受注するまでのハードルが高く、仕事がなくなる可能性も出てきますが、今の仕事を続けながらコンサル活動を行えばリスクを避けられます。

いずれ本業としてフリーコンサルタントへの転身を検討するうえでも、副業コンサルでの経験が役立ちます。クライアント支援を通じた実績の構築や、プロジェクト参画によるスキルアップにより、コンサルタントとしての信頼性が確立でき、継続的な案件を獲得しやすくなるでしょう。

 フリーランスのコンサルタントは、単価や受注案件数が不安定になりやすい面があります。できるだけ多くの選択肢を考え、心に余裕を持つことも大切です。専門家としての信頼を得て、顧問契約などにより長期的な案件を増やすことは、収入の安定に役立つでしょう。

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フリーランスコンサルの年収・単価とは?

フリーランスコンサルの年収・単価とは?

ここで、フリーランスコンサルの年収や案件単価の相場を見てみましょう。

フリーランスコンサルの年収・単価相場(レベル別)

フリーランスコンサルの年収は、レベルによって幅があります。コンサルレベル別の年収と案件単価の目安は下記の通りです。

実際の年収額は業種や案件の規模で異なるものの、経験が上がるにつれて大幅に報酬がアップします。コンサルティングファームでの在籍経験など実績がある場合、アナリストの次のレベルでも年収1,000万円以上が見込めます。

フリーランスコンサルの年収・単価相場(案件種類別)

コンサルタントの報酬額は、業種や担当領域によっても変わります。案件種類別のフリーランスコンサルの年収や単価は以下の通りです。

ITコンサルタントの場合、AIや5Gといった需要の高い領域では、100〜120万円など高単価の案件が多く見られます。戦略や財務など専門的な知識やスキルを要する案件は単価も高額です。

【インタビュー】未経験でフリーコンサルになった事業会社出身Nさんの実体験

【インタビュー】未経験でフリーコンサルになった事業会社出身Nさんの実体験

ここまで未経験でフリーコンサルになれる可能性や実態について紹介しました。ここからは実際に事業会社から未経験でフリーコンサルになった、弊社でご活躍いただいているNさんに行ったインタビューの内容をご紹介します。

前職の業務について

大手国内ケーブルテレビ会社にて営業企画、企業理念策定、人事部 にて企業理念推進をリードしていました。 そこから転職し、大手メーカー企業理念推進室にてグローバル 5,000名に向けた企業理念推進施策の企画・立案、実行サポートを担当しています。

その後、これまでの組織・人事領域の問題解決ノウハウを生かし、大手人材開発プロフェッショナルファーム大手に入社しました。 そこでは、大手自動車メーカーの人材開発企画・研修運営、インナーブランディング施策企画、実行支援を実施しています。他にも、中堅上場自動車部品メーカー人事部にて人事戦略立案、人事管理システム導入、人事特命課題解決、人材育成制度の再構築、教育体系見直しや人事部改革を遂行してきました。

また、社内教育機関を設立しています。現在では心理学とビジネスの融合を目指す会社を設立し、代表として励む日々です。 資格としては、MBA(組織戦略論)、産業カウンセラーを取得しています。

フリーコンサルタントを志した理由、前職とリンクしている部分、反対に異なる部分について

フリーコンサルタントを志した理由は、「世の中の役に立ちたい」「日本をよくしていきたい」という思いが強かったからです。気付けば、コンサルタントになっていました。 仕事の内容に関しては、前職では社内コンサルタントのような仕事をしていたため、ほぼ同じ仕事をしています。異なる部分としては、よりお客様への価値提供が求められる点です。

未経験でコンサルになる際に感じた課題とその対処方法

一番は心理的なハードルです。特に私は前職ではA.Tカーニー出身の上司やマッキンゼー出身の担当者などコンサルタント経験者のもとで働いてきました。また、その前々職ではPwCやアクセンチュアでパートナーまで勤めた方とも仕事を共にしています。

こうした錚々たる方々を見てきたため、自分が「コンサルタント」と名乗って働くことはとても恐れ多いと感じていました。 幸いにも、前職のA.Tカーニー出身の上司がとても良い方で、資料作成やロジカルシンキングなどのコンサルタントの基本をOJTで教えていただきました。おかげさまで、私には基本的なコンサルスキルが身についています。

あとは自信を持つだけでした。 スポットコンサルをたくさん経験するとともに、コーチングなどで自分を見つめなおした過去が、自信につながっています。最後に思い切って、フリーランスの仕事を紹介してくれるエージェントに登録しました。その結果、私は現在コンサルタントとして活躍しています。

まとめ

未経験からコンサルタントへの転身は可能です。コンサルタントの市場ニーズは年々増加傾向にあり、未経験歓迎の求人も多く見られます。今までの職歴や経験を活かして、副業でコンサルティングをスタートすると、スムーズに経験を積めるでしょう。 

フリーコンサルタントの年収や案件単価は、コンサルレベルや業種によって幅がありますが、経験を積むことで段階的な報酬アップが見込めます。自分が持つ専門知識やスキルが活かせる環境の選択が、コンサルタントとして活躍するための近道です。

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記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。