コンサルタントの仕事内容とは?年収ややめとけと言われる理由を解説
コンサルタントと聞くと「クライアントの課題解決に向けてアドバイスする職種」をイメージする方も少なくありません。
しかし、コンサルタントの仕事内容は多岐にわたり、さまざまな業界で重要な役割を果たしています。
本記事では、コンサルタントの仕事に興味がある方に向けて、コンサルタントがどのような仕事を行っているのか、どのような特性が求められるのかを掘り下げていきます。
コンサルタントを目指す方、または業界についての理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。
目次
【基礎知識】コンサルタントとは
コンサルタントとは、企業や組織が直面するさまざまな課題に対して専門的な知見をもとに解決策を提案し、実行をサポートする専門職です。
クライアントのパフォーマンス向上と目標達成の支援を主な目的としており戦略立案から実行支援まで、広範囲にわたる知識が要求されます。
「コンサルティング」と混同されやすいですが、コンサルタントが職種を意味するのに対し、コンサルティングはコンサルタントが提供するサービスを指します。
コンサルティング業界の特徴
コンサルティング業界は、常に変化しており、新たな課題に対応するために進化を続けています。
市場の需要や技術の進歩に応じて、コンサルタントの求められるスキルや専門性も変わります。
この業界は特に、革新的な思考と迅速な対応能力が求められるため、常に最前線で行動することが求められます。
コンサルタントの年収
コンサルタントの平均年収は、業界や役職によって大きく変わります。
以下、コンサルティングファームの種類ごとの平均年収です。
コンサルティングファームの種類 |
コンサルタントの平均年収 |
戦略系コンサルティングファーム |
900万~1,300万円 |
業務・IT系コンサルティングファーム |
400万~900万円 |
組織・人事コンサルティングファーム |
600万~900万円 |
FAS |
700万~1,000万円 |
全国の平均年収は「458万円」であるため、コンサルタントの平均年収は高い水準にあることがわかります。
参照:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
【基本】コンサルタントの仕事内容
コンサルタントの仕事内容は、業界や職位、コンサルティングファーム・部門などによって異なります。
ただ、コンサルタントに求められる「クライアントの課題解決をサポートする」という役割は共通しています。
以下で、どの分野のコンサルタントにも求められる仕事内容を確認していきましょう。
1.情報収集・分析
コンサルタントはまず、クライアントの現状や市場の動向、競合の状況など広範囲で情報を収集します。
次に、収集したデータを分析し、クライアントが直面している問題の原因を特定。
この段階での正確な分析が、効果的な戦略の元となります。
2.戦略・改善策の提案と実行
1つ目のサイクルで行った分析結果をもとに、実行可能で効果的な戦略や改善策をクライアントに提案します。
このプロセスには、具体的な行動計画の策定や、必要なリソースの配分も含まれています。
提案された戦略はクライアントと協力して実行し、継続的に支援を行っていきます。
3.結果の把握・課題の発見
実施された戦略の効果を評価し、その結果を詳しく分析します。
このサイクルには、目標達成度の測定や、新たに発生した問題の特定などが含まれます。
フィードバックをもとに、次のサイクルの改善点が議論され、再び情報収集から始まることで、事業の継続的な成長と改善が繰り返されます。
今回紹介したサイクル以外にもコンサルタントの仕事は多岐に渡ります。
次の章では、コンサルタントの仕事内容の実例を紹介しますので実際の仕事のイメージを膨らませていきましょう。
【クライアント別】コンサルタントの仕事内容
コンサルタントの役割はクライアントの種類によって大きく異なるため、仕事内容をイメージしにくいことも多いです。本章では以下のコンサルティング事例を元に仕事内容をイメージしていきましょう。
- 官公庁のコンサルティング
- 経営者のコンサルティング
- 人事・ITのコンサルティング
- その他・各業界のコンサルティング
それぞれの実例を紹介し、ニーズと解決策を具体的に解説します。
官公庁のコンサルティング
官公庁のコンサルティングは、政策の有効性を正しく評価し、公共サービスの改善を図ることが主な目的です。
例えば、地方自治体が効率的なごみ処理システムを導入したい場合、コンサルタントは最新のリサイクル技術やコスト削減策を提案し、実行計画を立てるサポートを行います。
このプロセスでは、環境規制の遵守と市民の生活の質の向上が求められます。
経営者のコンサルティング
経営者向けのコンサルティングでは、ビジネスの成長戦略や売上UPが目的になります。
たとえば、新しい市場に進出したい中小企業の経営者に対し、市場調査、競合分析、そして戦略的な部分まで提案します。
コンサルタントは具体的な行動計画とともに、リスクも想定した計画を考えます。
人事・ITのコンサルティング
人事・IT部門のコンサルティングは、組織効率化と技術導入に重点を置いているケースが多いです。
たとえば、大企業の人事部門が従業員の管理システムを導入する際、コンサルタントは最適なソフトウェアの選定から導入後の評価方法までをサポートします。
このようなプロジェクトでは、従業員の受け入れやすさとシステムの効果的な利用が重要な判断基準となります。
その他・各業界のコンサルティング
特定の業界に特化したコンサルティングでは、業界固有の課題に対処します。
たとえば医療業界では、新しい診療プロトコルの導入やコスト管理が重要です。
製造業では、生産効率の向上や品質管理が求められるため、コンサルタントは最新の製造技術やプロセス改善の方法を提供します。
各業界のニーズに合わせた専門的な知識と戦略がコンサルタントには必要です。
「Experty」では特定の業界に特化した案件をはじめ、幅広いコンサルティング案件を紹介しています。
以下より実際の案件をご覧頂けるので、ぜひご活用ください。
【種類別】コンサルタントの仕事内容
コンサルタントの仕事内容はコンサルティングファームの種類によっても変わってきます。以下の表で、業種別の仕事内容をまとめました。
コンサルティングファームの種類 |
仕事内容 |
戦略系コンサルティング |
大企業・中堅企業が直面する経営上の課題に対し、戦略の策定や実行を支援する。 |
総合系コンサルティング |
特定の分野に限定されず、幅広い業務に対応する。 |
ITコンサルティング |
IT技術を活用して業務の課題を解決する。 |
組織・人事コンサルティング (HRコンサルタント) |
組織や人事領域に特化し、人材開発戦略、給与評価制度の改革、働き方改革の支援など、多様な提案を行う。 |
財務系コンサルティング(FAS) |
会計や法務の専門知識を活かし、M&A支援や財務関連の問題解決に対応する。 |
シンクタンク系コンサルティング |
経済調査や政策研究、企業向けのマネジメントサポートなどを行う。 |
監査法人系コンサルティング |
会計監査のほか、IPO支援、内部統制の強化、コンプライアンスリスクの管理などをサポートする。 |
コンサルティングファームの種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】コンサルティングファームとは?仕事内容や年収・種類・向いてる人の特徴を解説 |
コンサルタント向きな人の5つの特徴
成功するコンサルタントには、いくつかの共通する特徴があります。
本章では、コンサルタント向きな人の5つの特徴を紹介します。
- 論理的思考力が高い人
- トレンドに敏感・アンテナが高い人
- ポジティブ・向上心がある人
- コミュニケーション能力が高い人
- 傾聴力がある人
これらがどのようにコンサルタントの仕事内容に影響を与えるかも含めて解説していきます。
論理的思考力が高い人
コンサルタントは、複雑なデータや状況を迅速に理解し、それをもとに効果的な解決策を導き出す能力が求められます。
このため、論理的思考力が高い人はコンサルタントに向いていると言えます。
コンサルタントには、情報を整理し、原因と結果を明確に区別することで、問題の根本を正確に捉え、適切な戦略を立案していくことが求められます。
トレンドに敏感・アンテナが高い人
市場の動向や業界の最新の変化をいち早く察知する能力は、コンサルタントにとって非常に重要です。
トレンドに敏感で、常にアンテナを高く保つことができる人は、新しいビジネスチャンスを見つけるだけでなく、リスクを未然に防ぐことにも繋がります。
これにより、クライアント企業にとっても、頼りになるコンサルタントだと感じていただけるでしょう。
ポジティブ・向上心がある人
コンサルタントの仕事は、時に厳しいフィードバックや予期せぬ課題に直面することもあります。
ポジティブな姿勢と向上心を持ち合わせている人は、これらの挑戦を成長の機会と捉え、持続的に自分を成長させることができます。
また、このような特性は、チームやクライアントにもポジティブな印象を与え、プロジェクト全体のモチベーションを高める効果があります。
コミュニケーション能力が高い人
コンサルタントには、異なる背景を持つステークホルダーと効果的にコミュニケーションを取る能力が求められます。
シンプルに仲良くなる能力に加え、明確で説得力のあるコミュニケーションスキルを持つ人は、複雑な情報をわかりやすく伝え、クライアントやチームメンバーからの信頼を獲得することができます。
これにより日々の業務も円滑に進むでしょう。
傾聴力がある人
コンサルタントには説得力のあるプレゼンとは別に、傾聴力が求められます。
クライアントの話に耳を傾け、その言葉の背後にある意図や感情を読み取ることができるコンサルタントは、より深い関係を築き、より精度の高いサービスを提供することができます。
これによりプロジェクトの成功率も飛躍的に向上するでしょう。
以下の記事では更に詳しくコンサルタントに向いている人について解説しているのでぜひ参考にしてください。
【関連記事】コンサルタント向いている人 |
コンサルタントに関するよくある質問
ここでは、コンサルタントに関するよくある質問を紹介します。
コンサルタントの仕事はきついの?やめとけは本当?
コンサルタントは高度で複雑なスキル・知識が求められる職種なので「コンサルタントの仕事はきつい」と言われることがあります。
確かにクライアントからのプレッシャーが強い、時期によっては長時間労働になる、実力主義などの側面がある仕事です。
コンサルタントの仕事をきついと感じるかは、個人が理想とするワークスタイルや仕事に求めるもの、適性などによって左右されるでしょう。
コンサルタントになるには?
コンサルタントになるために特別な資格を取得する必要はありません。
しかし、未経験からコンサルタントを目指す場合は、語学力やITに関する知識など、強みを持っておくと有利でしょう。
MBA(経営修士学)や公認会計士、税理士などの資格も役立つと言われます。
大手コンサルティングファームのコンサルタントになるには?
大手コンサルティングファームは知名度が高い分、多くの求職者からの応募があります。
そのような競争に勝ち残るためには、ケース面接やフェルミ推定などの選考対策を行い、コンサルタントに求められるスキルを高めることが大切です。
転職エージェントを利用することで、自分に合った求人情報を探しやすくなります。大手コンサルティングファームの案件を扱う転職エージェントに登録してみましょう。
コンサルタントのやりがいは?
コンサルタントのやりがいにはさまざまなものが挙げられますが、例として以下のものが挙げられます。
- 高収入を目指しやすい
- 高度なビジネススキルが身に付く
- 達成感を得られる
- 知的好奇心を満たせる
- グローバル規模で活躍できる
コンサルタントの仕事は大きなプレッシャーが伴う仕事ですが、その分達成感を味わうことができます。
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Expertyでは、経験豊富なプロフェッショナルが自分のスキルと知識を活かせる仕事を見つけることができ、特に戦略、IT、マーケティング、人事など多岐にわたる業界のプロジェクト案件が揃っています。
また、200万円以上の高単価案件が多いことも特徴で、継続的に業務に携わることも可能です。
登録は簡単ですぐにリアルタイムの案件を確認することができますので、ぜひご活用ください。
まとめ|コンサルタントの仕事内容は多種多様
この記事では、コンサルタントのさまざまな仕事内容や向いている人の特徴について解説しました。
コンサルタントは、クライアントの課題を解決するために、戦略的な提案から具体的な実行支援までを行います。
また、特定のクライアントや業界には、それぞれに合わせたアプローチが大切であり、成功するコンサルタントには論理的思考力やコミュニケーションスキルが求められます。
コンサルタントの仕事は、幅広い能力を求められる分、高収入であることも特徴です。
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記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。