マーケティングコンサルタントの仕事内容や年収・必要なスキルや資格について解説!

コンサルタントとは、クライアントが抱える問題をクリアするために、課題を見つけ、戦略や改善策を提案し、解決に導くサポートを行う仕事です。
中でもマーケティングコンサルタントと呼ばれる職種は、クライアントのサービスや商品の売り上げを伸ばすことを専門としています。
特に近年はサービスや商品の差別化が難しくなっており、マーケティングに力を入れる企業が急増しています。
そこで本記事ではマーケティングやコンサルに興味がある方に向けて、仕事内容や年収、求められるスキル、資格について詳しく解説します。
また、そもそも「コンサルティング」と「マーケティング」の違いが分からない方に向けた解説もしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マーケティングコンサルタントとは?
マーケティングコンサルタントとは、クライアントの抱えるマーケティング課題解決を支援するコンサルタントのことです。
以下で仕事内容について詳しく確認していきましょう。
マーケティングコンサルの仕事内容
マーケティングコンサルの仕事は、主に4つの業務から成り立ちます。
- クライアントの業界の市場調査・情報収集
- 情報整理・分析を行い、クライアントの課題を見つける
- マーケティング戦略を策定・提案し、実行する
- 結果を元にさらなる改善策の提案・検証を行う
クライアントの要望や、提供するサービス・商品内容によっては「1と2だけ」「3まで」といった部分的にコンサルティングを行う場合もあります。
マーケティングコンサルにおいて特に重要なのは市場調査などの情報収集です。
集めた情報をもとに「クライアントの強み」「顧客ニーズ」「競合他社の特徴」「クライアントの真の顧客」などを明確にして戦略を立てる必要があります。
また、必要に応じてコンサルタントが講師として、クライアントにマーケティング研修を行うケースもあります。
マーケティングとコンサルタントの違い
マーケティングとコンサルティングは混同されやすいですが、両者は「目指すゴール」が異なります。
職種 |
目指すゴール |
マーケティング |
自社のサービスや商品の開発・改善・販路拡大 |
コンサルティング |
クライアントの経営課題解決 |
マーケティングの仕事内容
主に事業会社などに在籍し、社内のマーケティング担当として、「自社のサービスや商品の開発・改善・販路拡大」を目指します。
具体的な業務は、顧客層の調査、市場調査、ターゲット設定、プロモーション戦略の提案・実行などです。
コンサルティングの仕事内容
一般的にコンサルティングは、「クライアント企業の経営上の問題点を見つけ、解決するための情報収集・分析を行い、改善策を提案・実行する仕事」です。
マーケティングもコンサルティングも、企業が抱える問題を解決する仕事なので、同じように見られがちです。
しかしマーケティングは「商品やサービスの開発・販路拡大」、コンサルティングは「経営に関する問題の解決」がゴールなので、取り組むべき業務が異なります。
マーケティングコンサルタントの平均年収
マーケティングコンサルタント(会社員)の年収レンジは「400万〜1,200万円」程度です。
経験や実績、スキル、役職、会社の規模などによって年収が大きく左右されるため、年収レンジは幅広くなっています。
大手コンサルティングファームに在籍している場合、30代で「800万〜1,200万円」程度が相場でしょう。
事業会社やマーケティング会社のコンサルタントは「400万〜800万円」程度が相場です。
とはいえ、コンサルティング業界は年収の水準が高く、若手のうちから年収1,000万円を達成しているマーケティングコンサルタントも少なくありません。
フリーランスの方が年収が高い傾向にある
マーケティングコンサルタント(フリーランス)の方が、会社員よりも年収が高い傾向にあります。
会社員の2倍以上の年収をもらっているフリーランスも珍しくありません。
近年はマーケティング分野のコンサルティングへのニーズが高まっており、フリーランス向けの高単価案件も増加しています。
実際にフリーランス向けエージェントサービス「Experty(エキスパティー)」では、案件の半数以上が月額100万円以上です。
このことから、マーケティングコンサルタントはフリーランスとして独立することで年収アップを目指せる可能性は高いでしょう。
マーケティングコンサルタントの6つの種類

マーケティングコンサルタントの業務は多岐にわたります。
そのため、同じマーケティングコンサルタントでも専門とする分野が分かれており、主に以下6種類に分類されます。
- 戦略系マーケティングコンサルタント
- 調査系マーケティングコンサルタント
- 新規事業開発系マーケティングコンサルタント
- プロモーション系マーケティングコンサルタント
- SNS運用系マーケティングコンサルタント
- ブランディング系マーケティングコンサルタント
マーケティングコンサルに興味がある方は、種類や仕事内容を参考にしてみてください。
戦略系マーケティングコンサルタント
マーケティング全般に関するコンサルティングを行います。
そのため、経営についての課題解決に向けたコンサルティングが多くなります。
【具体的な仕事内容】
- クライアント企業の業界調査や市場調査
- クライアント企業の競合他社の調査
- クライアント企業の風土や組織体制を把握
- 解決の糸口となる課題を見つける
- 経営戦略・改善策の提案と実行 など
マーケティングコンサルと言えど、時にはクライアント企業の組織体制や業務フローを改善させることも必要なため、経営戦略のコンサルティングを行う場合もあります。
調査系マーケティングコンサルタント
クライアント企業が扱う商品やサービスを、より効率的・効果的に販売するためには何が必要なのかを明らかにする仕事です。
【具体的な仕事内容】
- クライアント企業の顧客調査
- 顧客ニーズや、顧客像の明確化
- 市場規模の調査、算定 など
調査を進める上で、顧客や関係者へのヒアリングやアンケート調査を実施することも多々あります。
新規事業開発系マーケティングコンサルタント
新規事業開発は、企業の経営企画部門が担当することが多いですが、マーケティングコンサルタントが活躍しているケースもあります。
顧客が何を求めているのか調査し、新しい事業やサービス、商品開発の手助けを行います。
【具体的な仕事内容】
- ニーズ調査や分析
- 売上の算出
- ディスカッションやワークショップの実施
- アイデア発想のサポート
- 商品リリースのサポート など
クライアント企業が抱える「固定概念から抜け出せない」「リスクばかりに目を向けてアイデアに目新しさがない」といった問題を解決する仕事と言えるでしょう。
プロモーション系マーケティングコンサルタント
近年、多くの企業でDX化が進んでおり、マーケティング領域ではより重要視されています。
従来は看板やテレビコマーシャル、雑誌や新聞などのメディア露出が主なプロモーション活動でしたが、現在はSNSを活用したデジタルマーケティングが主流になりつつあります。
そのため、デジタルツールの導入やサポートを行うことが多いです。
その他の仕事内容は以下の通りです。
【具体的な仕事内容】
- クライアント企業のブランドイメージ調査
- 売上額、顧客数、認知度を元にした適切なプロモーション手段の決定
- 顧客へのアプローチ手段やタイミングの検討や策定 など
SNS運用系マーケティングコンサルタント
クライアント企業の顧客となり得る消費者は、SNSの情報を元に商品やサービスを購入・利用するケースが非常に多いです。
そのため、近年はInstagramやX(旧Twitter)などで企業公式アカウントを運用し、顧客向けの情報発信を行うことが当たり前になっています。
通常、企業の従業員が運用することが多いですが、SNSに強い専門のマーケティングコンサルタントがサポートに入るケースがあります。
【具体的な仕事内容】
- 各SNSの特徴を加味した運用戦略の策定
- トレンドの把握
- SNSでの情報発信内容の方針の策定
- コンサル実施後の分析やレポートの提出 など
SNSマーケティングコンサルは、SNS運用代行と混同されがちですが、SNS運用代行は投稿の作成や投稿作業などの実務を行うため、マーケティング戦略やデータ分析をするコンサルティングとは業務内容が異なります。
ブランディング系マーケティングコンサルタント
クライアント企業が、顧客に感じてほしいブランドイメージを作るためのサポートを行います。
時にはデザイン会社と連携してコンサルティングを行うケースもあります。
【具体的な業務内容】
- クライアント企業の商品やサービスのイメージ調査
- 競合他社との差別化戦略の策定と実施
- 海外進出に向けた現地向けのブランディングコンサル
- 顧客向けのイベントの企画や運営 など
以上のように、マーケティングコンサルには様々な領域があり、コンサルタントはノウハウを駆使してクライアントの希望を実現させなければいけません。
マーケティングコンサルタントになるには?

それでは、マーケティングコンサルタントを目指すにはどうすればいいのでしょうか?
スキルを身につける
まずは、マーケティング関連のスキルや知識を身につけることが大切です。
マーケティングコンサルタントには「マーケティングの専門家」としての役割が期待されるため、スキルや知識が不足しているとクライアントからの信頼を得られません。
以下で詳しく解説していますが、マーケティングコンサルタントに求められるスキルとして、以下が挙げられます。
- 情報処理・論理的思考スキル
- 経営に関するスキル
- 消費者理解・トレンドの把握スキル
資格を取得する
スキルを高めたい方や、選考で差別化を図りたい方は、資格を取得すると良いでしょう。
以下の資格はマーケティングコンサルタントと親和性があります。
- 販売士検定
- 販路コーディネータ
- マーケティング・ビジネス検定
- ネットマーケティング検定
- マーケティング検定
詳細は記事の後半で紹介しているので、参考にしてください。
エージェントを活用する
マーケティングコンサルタントへの転職を考えている方は、エージェントに登録することをおすすめします。
エージェントに登録することで、条件を絞って求人を検索できるほか、希望条件に沿った非公開求人を紹介してもらえます。
転職活動に関する相談やアドバイス、書類添削、面接練習など、サポート体制が充実しているエージェントもあり、転職初心者の方も安心です。
Experty(エキスパティー)は求職者の方を徹底サポートしています。
オンラインでもご相談いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
マーケティングコンサルタントになるために必要な3つのスキル
マーケティングコンサルタントになるためには、以下の3つのスキルがあることが望ましいです。
- 情報処理・論理的思考スキル
- 経営に関するスキル
- 消費者理解・トレンドの把握スキル
マーケティングコンサルに関わらず、様々な業界のコンサルで必要なスキルになります。
コンサルタントとして成功していきたい方はぜひ参考にしてください。
情報処理・論理的思考スキル
クライアント企業の具体的な課題を見つけるためには、情報収集と分析が欠かせません。
さらに、クライアントに納得してもらえる戦略や改善策の提案を行う必要があります。
そのため、集めた情報を整理・分析し仮説を立て、筋道の通った戦略や改善策を策定するスキルが必要です。
コンサルタントとして最も重要なスキルと言えます。
経営に関するスキル
マーケティングコンサルでは、経営層のサポートに入るケースもあります。
この場合、クライアント企業の経営戦略を理解した上で、適切な改善策の提案をしなければいけません。
そのため、経営戦略・財務・人事・営業など幅広い分野の知識が必要とされます。
企業の経営戦略を深く理解できると、より充実したコンサルティングが行えるため、クライアントからも喜ばれます。
マーケティングコンサルタントが必ずしも経営に関わるわけではないですが、知識があればコンサルタントとしてのキャリア設計の幅も広がるでしょう。
消費者理解・トレンドの把握スキル
クライアント企業の業績アップや販路拡大の戦略を練るには、消費者理解やトレンドの把握が必要不可欠です。
「クライアント企業の顧客は何を求めているのか?」「どこから商品の購入やサービスの利用登録をしているのか?」を十分に理解できなければ、プロモーション方法やSNSの運用戦略は提案できません。
またトレンドを把握することで、より効率的で効果的な戦略を提案することが可能です。
以上の通り、マーケティングコンサルでは幅広い分野の専門知識が求められます。
そのため、専門知識を学ぶ一環として資格を取得しているコンサルタントも少なくありません。
そこで次の章では、マーケティングコンサルタントにおすすめの資格について紹介します。
マーケティングコンサルタントにおすすめの資格5選

マーケティングコンサルタントにおすすめの資格は以下の5つです。
- 販売士検定
- 販路コーディネータ
- マーケティング・ビジネス検定
- ネットマーケティング検定
- マーケティング検定
転職時にも役に立つので、興味のある方は参考にしてみてください。
販売士検定
日本商工会議所が運営している、小売業や流通業に関する資格です。
3級では接客マナーや販売技術など、現場での接客業務に関する内容が多く、2級では管理者クラスを目指した従業員の育成や指導・仕入れや在庫管理について問われます。
1級では商品企画や予算の策定などのマーケティング知識全般、さらに人事・労務・財務管理といった経営戦略に関わる内容が問われます。
参考:販売士試験
販路コーディネータ
マーケティングにおける幅広い知識が学べる資格です。
サービスや商品にマッチした販路の選定、販路の開拓や商品開発の助言・指導についてより深くノウハウを学ぶことができます。
3級から1級まであり、1級になると事業戦略・商品戦略・販売戦略に関する幅広い知識が必要になります。
研修も行っているため、独学が不安な方でも適切に知識を身につけることが可能です。
参考:販路コーディネーター試験
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングの基礎知識から応用まで幅広く学べる資格です。
特定の業界や業種にとらわれず、幅広い分野で役立つマーケティング知識を身につけることができ、SNSマーケティングに関する最新の手法や事例も学べます。
C〜A級まであり、より実践的な内容となっているため転職や就活にも役立ちます。
ネットマーケティング検定
SNSやWEBマーケティングに関する専門知識が身につく資格です。
セキュリティ対策やプログラミングなどのインターネット技術に関する内容や、効果的なネット広告の使い方、データ解析の基本や関連法規まで学べます。
ネットマーケティングにおける幅広い知識が身につくため、コンサルタントとしてより高いスキルを持っていることをアピールできます。
キャリアパスにも役立つ資格と言えるでしょう。
参考:ネットマーケティング検定
マーケティング検定
マーケティング検定は、公益社団法人日本マーケティング協会が認定している検定です。
業務に活用できるマーケティング力を測定できます。
3級から1級まであり、1級ではマーケティングに関わる部門のリーダーを目指す方に向けた内容が問われています。
マーケティングの基礎から応用までが問われ、レベルに合わせた試験に挑戦できます。
参考:マーケティング検定
大手企業におけるマーケティングコンサルタントの求人例
ここでは、大手企業におけるマーケティングコンサルタントの求人例を紹介します。
アクセンチュア
アクセンチュアは、アイルランド(ダブリン)に本社を構える総合コンサルティングファームです。
世界120カ国以上とのグローバルネットワークを活かしたコンサルティングを得意としています。
今回はマーケティングコンサルタント・ソング本部での募集を紹介します。
主な仕事内容は、データ主導型の戦略立案、KPI設計、PDCA設計などです。
応募するためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 戦略コンサルティング/マーケティングコンサルティング/CRMコンサルティングの経験
- 広告代理店における事業企画・マーケティング戦略構築・実行経験
参照:アクセンチュア マーケティングコンサルタント – ソング本部
電通コンサルティング
電通コンサルティングは、株式会社電通グループが設立した、経営戦略コンサルティングに特化した企業です。
同社では以下の職種を募集しています。
- ブランディングコンサルタント
- デザインストラテジスト
- 戦略コンサルタント
- デジタルコンサルタント
選考では書類審査・Web適性審査の後にケース面接が設けられています。
ケース面接の対策については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:コンサルのケース面接とは?解答例や例題、注意点なども解説
参照:電通コンサルティング 採用情報
日本総研
日本総合研究所(JRI)は、2002年に設立された三井住友フィナンシャルグループの大手シンクタンク企業です。
同社は「マーケティング・営業力強化」に特化したコンサルティングサービスを展開しています。
現在はマーケティングコンサルタントの募集はありませんが、情報が更新される可能性があるため、公式サイトを確認してみてください。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は、アメリカ(ボストン)に本社を置く外資系コンサルティングファームです。
同ファームではマーケティング・セ-ルスの支援を手がけており、CMOアジェンダやデジタル営業、eコマース、デジタルマーケティングなど幅広いテーマに対応しています。
現時点ではマーケティングコンサルタントの募集が見られませんが、随時情報が更新される可能性があるため、公式サイトを確認してみましょう。
参照:ボストン・コンサルティング・グループ マーケティング・セ-ルス
マーケティングコンサルタントの高待遇・好条件探しはExperty
未経験からマーケティングコンサルタントへ転職する場合は難易度が上がるため、希望する条件に見合わない案件も多いです。
しかしExpartyでは、紹介する案件の半数以上が100万/月以上で、マーケティング分野の案件も多数紹介可能です。
コンサルティングの基礎やプロジェクトの進め方についても担当者がレクチャーするため、マーケティングの専門知識をフルに発揮することができます。
面談を行ったのち、最短1週間で希望条件に見合った案件の紹介が可能なため、すぐに業務を開始できます。
マーケティングコンサルタントとしてキャリアアップを目指す方は、ぜひ活用してみてください。
まとめ
マーケティングコンサルタントは幅広い領域の知識が必要なことから、仕事内容も多種多様です。
時には経営戦略のコンサルも行うため、実績や経験を積めばコンサルタントとしてのキャリアも広がりやすいです。
また、コンサルティングが未経験の方でも、マーケティングに関する高い専門知識を持っていれば転職に有利でしょう。
営業活動にリソースを割けない方や、好条件の案件を獲得したい方は、エージェントの活用も検討してみてください。
記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。