ITコンサルタントで起業するステップ!メリットやデメリット、案件獲得方法も解説

ITコンサルタントとしての起業は、高収入と自由な働き方を実現する魅力的な側面があります。
しかし、起業して成功するまでには、さまざまな課題もあります。
本記事ではITコンサルタント起業の現状と需要、具体的な起業の流れ、必要な準備、案件獲得方法、そしてメリットとデメリットを詳しく解説します。

目次
ITコンサルタント起業の現状と需要

まずはITコンサルタント起業の現状と需要について、解説していきます。
ITコンサルタントの市場動向
ITコンサルティング業界の市場規模は、年々増加の一途をたどっています。
2021年には650億ドルだった世界市場は、2028年までにおよそ1000億ドルに達すると予測されます。
日本市場も着実に成長し、アジア圏で注目を集めています。
特にITインフラに特化したコンサルティングサービスへの期待が高まっています。
DXの浸透がITコンサルタントの需要を高めている理由
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が、ITコンサルタント需要を押し上げる大きな要因です。
多くの企業がDXの必要性を認識しながらも、社内にDX推進人材が不足しているのが現状です。
そこでITコンサルタントの存在が重要になります。
ITコンサルタントは企業のDX戦略立案から実装まで、幅広くサポートします。
業務プロセスの見直しやシステム導入の提案など、多岐にわたる支援が求められています。
ITコンサルタント起業の流れ

ITコンサルタントとして起業する流れは、慎重に計画し実行する必要があります。
適切な準備と手順を踏むことで、スムーズな独立が可能になるでしょう。
独立のタイミングと準備期間を設定する
独立のタイミングは個人の状況によって異なります。
一般的には、3〜5年の実務経験を積んでから検討するのが望ましいでしょう。
準備期間は最低でも半年、理想的には1年ほど設けます。
この間にスキルアップや人脈形成、資金準備を進めます。
また、独立前に自身の強みを明確にしておくことが重要です。
得意分野や専門性を絞り込み、差別化を図ります。
加えて、顧客ニーズの調査も欠かせません。
市場動向を把握し、自分のサービスの需要を見極めてください。
さらに、独立後の収支計画を立てておきましょう。
最初の半年〜1年は案件獲得に時間がかかる可能性があります。
その間の生活費や事業運営費を確保しておく必要があります。
法人設立か個人事業主かを選ぶ
ITコンサルタントとして起業するときは、法人と個人事業主のどちらを選ぶかは重要な決断です。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
法人設立のメリットは、社会的信用度の高さと節税効果です。
大型案件の受注や取引先の拡大に有利に働きます。
一方、設立手続きや維持コストがかかるのがデメリットです。
個人事業主は、開業手続きが簡単で経費も抑えられます。
しかし、大規模な事業展開には限界があり、税制面でのメリットも少ないです。
選択の基準は年間売上の見込みや事業規模、将来の展望などです。
年収1,000万円を超える見込みがあれば、法人化を検討するのが一般的です。
開業手続きや必要書類を揃える
開業手続きは、選択した事業形態によって異なります。
個人事業主の場合、開業届の提出が主な手続きです。
法人設立の場合は、定款の作成や登記申請など、より複雑な手続きが必要です。
専門家のサポートを受けるのも一案です。
必要書類には、事業計画書や収支計画書、開業届、法人設立届出書などがあります。
これらを事前に準備しておくと、スムーズに手続きを進められます。
また、ITコンサルタントとして必要な資格や許認可の確認も忘れずに行いましょう。
業務内容によっては、特定の資格が求められる場合もあります。
ITコンサルタント起業に必要な準備

ITコンサルタントとして起業するには、綿密な準備が不可欠です。
スキルと経験の蓄積、人脈形成と実績作り、そして資金準備と事業計画の策定が重要な要素となります。
スキルと経験の蓄積
ITコンサルタントに求められるスキルは多岐にわたります。
まずはIT技術に関する深い知識が必要です。
システム開発やネットワーク構築、セキュリティ対策など、幅広い分野の理解が求められます。
同時に、経営戦略やビジネスプロセスに関する知識も重要です。
おすすめの資格取得としては、ITストラテジスト試験が挙げられます。
この資格は、IT戦略の立案と実行に必要な知識を体系的に学べます。
また、プロジェクトマネジメント専門家(PMP)資格も有用です。
これらの資格取得を目指すことで、スキルアップと同時に自身の市場価値を高められます。
さらに、実務経験も欠かせません。
大規模なITプロジェクトに携わり、上流工程から下流工程まで幅広く経験を積むことが理想的です。
さまざまな業界のプロジェクトに参加し、業界特有の課題や解決策を学ぶことも重要です。
人脈形成と実績作り
ITコンサルタントとして成功するには、人脈形成が必要不可欠です。
そのために業界イベントやセミナーに積極的に参加し、同業者や潜在的クライアントとの交流を深めましょう。
SNSを活用した情報発信も効果的です。
LinkedIn等のプロフェッショナル向けSNSで自身の専門性をアピールし、人脈を広げていくことができます。
それから実績作りも重要です。
現在の職場で積極的に提案を行い、プロジェクトをリードする機会を増やしましょう。
成功事例を蓄積し、それらを適切に文書化しておくことで、将来のクライアント獲得に役立ちます。
可能であれば、業界誌への寄稿や講演なども行い、自身のブランディングを強化しましょう。
資金準備と事業計画の策定
起業には一定の資金が必要です。
最低でも半年から1年分の生活費と事業運営費を準備しておくことをおすすめします。
資金源としては、自己資金の他、政府系金融機関の創業融資なども検討しましょう。
さらに、事業計画の策定も重要です。
市場分析、競合分析、収支計画など具体的な数字を盛り込んだ計画を立てます。
特に初年度の月次の資金繰り計画は詳細に作成しましょう。
また、想定されるリスクとその対策も明確にしておく必要があります。
事業計画は金融機関からの融資を受ける際にも必要となるため、専門家のアドバイスを受けながら、説得力のある計画を作成することが大切です。
ITコンサルタントの案件獲得方法

ITコンサルタントとして成功するには、効果的な案件獲得方法を身につけることが重要です。
フリーランスエージェントの活用、クラウドソーシングサイトの利用、SNSを活用した情報発信と営業など、さまざまな手段を組み合わせることで、安定した案件獲得が可能になります。
フリーランスエージェントの活用
フリーランスエージェントは、ITコンサルタントと企業をマッチングするサービスです。
多くのエージェントが、高単価案件や長期プロジェクトを扱っています。
そのなかでも、Expertyがおすすめです。
Expertyは、エンジニアやコンサルタントのマッチングプラットフォームで、高度なスキルを持つフリーランス向けの案件を多数取り扱っています。
登録は無料で、案件情報の閲覧や応募が可能です。
また、スキルや経験に応じた案件を提案してくれるため、効率的な案件獲得が期待できます。

クラウドソーシングサイトの利用
クラウドソーシングサイトも案件獲得の有効な手段です。
これらのサイトでは、さまざまな規模や種類のITコンサルティング案件が掲載されています。
小規模な案件から始め、徐々に実績を積み上げていくことができます。
ただし、クラウドソーシングサイトでは競争が激しいため、自身の強みを明確にアピールすることがポイントです。
提案書の作成には十分な時間をかけ、クライアントのニーズに合わせた具体的な解決策を提示しましょう。
SNSを活用した情報発信と営業
SNSは、自身のブランディングと案件獲得に非常に効果的なツールです。
LinkedInやX(旧Twitter)などを活用し、ITコンサルティングに関する有益な情報を定期的に発信しましょう。
業界のトレンドや自身の専門分野に関する知識を共有することで、フォロワーの信頼を獲得できます。
また、SNS上で潜在的なクライアントとつながり、直接コンタクトを取ることも可能です。
ただし、一方的な営業メッセージは避け、相手のニーズを理解したうえで、価値ある提案を心がけましょう。
さらに、オンラインセミナーやウェビナーの開催も効果的です。
自身の専門知識を活かしたテーマで情報提供を行い、参加者との関係構築を図ります。
これらの活動を通じて、長期的な信頼関係を築くことが、安定した案件獲得につながります。
ITコンサルタント起業のメリット

ITコンサルタントとして起業すると、高収入、自由な働き方、専門性の深化など、多くのメリットが得られます。
これらの利点を活かすことで、キャリアの充実と経済的な成功を同時に実現できるでしょう。
高収入を目指せる
フリーランスITコンサルタントの年収は、経験や専門性によって大きく変動します。
一般的に、年収1,000万円を超える高収入を得ている人も少なくありません。
なかには2,000万円以上を稼ぐトップコンサルタントも存在します。
年収アップの具体的な方法としては、以下が挙げられます。
- 専門性を高め、高単価案件を獲得する
- 複数のプロジェクトを並行して進める
- 長期契約を結び、安定した収入を確保する
- 成果報酬型の契約を取り入れる
これらの戦略を組み合わせることで、着実に収入を増やせます。
働き方の自由度が高い
起業したITコンサルタントは、自分で仕事のペースや場所を決められます。
リモートワークを活用すれば、オフィスにとらわれない柔軟な働き方が可能です。
また、案件の選択も自由です。
自分の興味や強みに合わせてプロジェクトを選べるため、やりがいを感じながら仕事に取り組めます。
仕事の時間の使い方も自由になるため、家族との時間を大切にしたり趣味に打ち込んだりと、ワークライフバランスの向上も期待できるでしょう。
専門性の深化と多様な収益化を目指せる
起業することで、特定の分野に特化した専門性を磨くことができます。
たとえば、AIやブロックチェーンなど、最先端技術に特化したコンサルティングを提供できます。
また、専門性が高まれば、講演やセミナー講師、書籍執筆など、多様な収益源を開拓できます。
オンラインコースの販売やYouTubeでの情報発信など、デジタルコンテンツを活用した収益化も可能です。
さらに、他のフリーランスITコンサルタントとネットワークを構築し、大規模プロジェクトにも対応できる体制を整えられます。
その結果、より大きな案件の受注も狙えるでしょう。
ITコンサルタント起業のデメリット

ITコンサルタントとして起業する際には、魅力的な側面だけでなく、いくつかの課題も存在します。
これらのデメリットを理解し、適切に対処することが成功への鍵となるでしょう。
収入の不安定さ
起業後は、安定した月給を得られる会社員時代とは異なり、収入が変動しやすくなります。
プロジェクトの受注状況によって、月々の収入が大きく変わる可能性があります。
特に独立直後は顧客基盤が確立されていないため、収入の波が激しくなりがちです。
また、一つの大型案件に依存していると、その案件が突然終了した際に収入が途絶えるリスクもあります。
このような事態を避けるため、複数の案件を並行して進めることが重要です。
さらに、緊急時に備えて、半年から1年分の生活費を貯蓄しておくことをお勧めします。
自己管理の重要性と難しさ
ITコンサルタントとして独立すると、全ての業務を自身で管理する必要があります。
営業活動、契約手続き、プロジェクト遂行、納品、アフターフォローなど、多岐にわたる業務をこなさなければなりません。
また、自由な働き方ができる反面、自己管理能力が試されます。
スケジュール管理や健康管理も自身の責任となります。
特に顧客満足を追求するあまり、過度な長時間労働に陥りやすい点に注意が必要です。
さらに、定期的な休息や適度な運動、健康的な食事など、自身の健康を守るための習慣づくりが重要になります。
確定申告などの税務手続きも自ら行う必要があるため、経理知識の習得も欠かせません。
競争の激しさと差別化が必要
近年、ITコンサルタント市場は拡大傾向にありますが、同時に競争も激化しています。
フリーランスのITコンサルタントが増加し、さらに副業として参入する人材も増えているため、案件獲得の競争は年々厳しくなっています。
この激しい競争を勝ち抜くためには、自身の強みを明確にし、他のコンサルタントとの差別化を図ることが不可欠です。
特定の業界や技術に特化したり、独自のコンサルティング手法を確立したりすることで、クライアントに対して付加価値を提供できるようになります。
また、常に最新の技術トレンドやビジネス動向をキャッチアップし、自身のスキルを磨き続けることも重要です。
継続的な自己研鑽により、競争力を維持し、高単価案件の獲得につなげることができるでしょう。
ITコンサルタント起業でよくある失敗パターンと対策

ITコンサルタントとして起業する際、いくつかの失敗パターンが存在します。
これらを事前に理解し、適切な対策を講じることで、成功への道を切り開けるでしょう。
主な失敗パターンとその対策を見ていきましょう。
準備不足での独立
多くの失敗例に共通するのが、十分な準備なしでの独立です。
具体的な事業計画や顧客獲得戦略がないまま起業すると、すぐに行き詰まってしまいます。
対策として、まず綿密な事業計画を立てることがポイントです。
市場調査を行い、ターゲット顧客を明確にしましょう。
また、独立前に副業でコンサルティング業務を始めるのも効果的です。
そうすると、実際の需要や自身の適性を確認できます。
さらに、人脈作りも忘れずに行いましょう。
業界イベントやセミナーに積極的に参加し、将来の顧客や協力者となる可能性のある人々とのネットワークを構築します。
スキル不足
ITコンサルタントには高度な専門知識と実務経験が求められます。
これらが不足していると、クライアントの期待に応えられず、信頼を失ってしまいます。
対策として、まずは自身のスキルを客観的に評価することから始めましょう。
不足している分野があれば、書籍や研修、オンラインコースなどを活用して補強します。
また、実務経験を積むことも重要です。
可能であれば、独立前に大手コンサルティング企業で経験を積むのが理想的です。
それが難しい場合でも、現在の職場で積極的にプロジェクトリーダーの役割を担うなど、コンサルティングに近い経験を積むよう心がけましょう。
資金不足と経営の行き詰まり
起業初期は案件獲得に時間がかかるため、資金不足に陥りやすいです。
また、経営ノウハウの不足から、資金繰りに失敗するケースも少なくありません。
そのため、十分な資金を準備することが重要です。
最低でも半年から1年分の生活費と事業運営費を確保しましょう。
また、経営の基礎知識を学ぶことも大切です。
簿記や財務管理の基本を押さえておくと、安定した経営につながります。
さらに、固定費を抑える工夫も必要です。
たとえば、初期段階ではコワーキングスペースを活用するなど、柔軟な対応を心がけましょう。
必要に応じて、公的支援制度や融資の利用も検討するとよいでしょう。
ITコンサルで起業や案件獲得を目指すならExpertyがおすすめ

ITコンサルタントとして起業や案件獲得を目指すなら、Expertyがおすすめです。
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まとめ

ITコンサルタントとしての起業は、綿密な準備と戦略が不可欠です。
市場動向を把握し、必要なスキルと経験や人脈を形成することが重要です。
また、安定した案件獲得のために、フリーランスエージェントやSNSの活用など、多様な方法を組み合わせることが効果的です。
起業には課題もありますが、適切な対策を講じることで、高収入と自由な働き方を実現できます。
Expertyのような専門プラットフォームを活用し、自身のキャリアを飛躍させましょう。

記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。