フリーランスのPMとは?メリット・デメリット、独立のステップなどを解説


目次
フリーランスPMとは

仕事内容
フリーランスPMの主な役割は、プロジェクト全体の統括です。 具体的には、計画立案、進捗管理、リスク対策、チーム調整などを担当します。 クライアントとの交渉や報告も重要な業務です。 そのため、高いコミュニケーション能力と問題解決力が求められるでしょう。正社員PMとの違い
最大の違いは、働き方の自由度です。 フリーランスPMは案件を選択できる反面、収入の安定性に欠けます。 一方、正社員PMは会社の方針に従う必要がありますが、福利厚生などの面で安定しています。 キャリアアップの方向性も異なるため、自身の志向に合わせて選択する必要があります。フリーランスPM市場の現状と将来性
IT業界におけるPM需要は年々高まっています。 フリーランスPMの市場規模は拡大傾向にあり、年間の成長率も増加するでしょう。 また、AIやデータ分析など新しい領域でも活躍の場が広がっています。 そのため、今後はより専門性の高いPMが求められるでしょう。フリーランスPMのメリット・デメリット

メリット
フリーランスPMの最大の魅力は高収入の可能性です。 月収100万円を超える案件も珍しくありません。 スキルと経験次第で、正社員PMの平均年収を大きく上回る収入を得られます。 さらに、自由な働き方も大きな魅力です。 案件や稼働率を自身で選択できるため、ワークライフバランスの実現が容易になります。 また、多様なプロジェクトに携わることで、幅広い経験を積むことができます。 これにより、市場価値の向上やキャリアの幅の拡大が期待できるでしょう。デメリット
一方で、フリーランスPMには注意すべき点もあります。 最も大きな課題は収入の不安定さです。 案件がない期間は無収入となるため、安定した収入を得るには継続的な営業活動が欠かせません。 また、全ての責任を自己で負う必要があります。 プロジェクトの成否、スキルアップ、健康管理など、あらゆる面で自己責任が問われます。 さらに、福利厚生や社会保障の面でも不利な点があります。 病気や怪我の際の補償がないため、自身で対策を講じる必要があるでしょう。フリーランスPMとして独立するためのステップ

独立前の準備
独立前の準備は、成功への重要な土台となります。 十分な経験、財務的な備え、そしてメンタル面での準備が求められます。必要な経験年数
フリーランスPMとして独立するには、通常5年以上のPM経験が望ましいです。 この期間中に、さまざまなプロジェクトを経験し、問題解決能力を磨くことが大切です。 また、業界特有の知識やトレンドも把握しておく必要があるでしょう。財務面での準備
独立初期は収入が不安定になる可能性が高いため、十分な資金準備が必要です。 最低でも半年分の生活費を貯蓄しておくことをおすすめします。 また、事業保険や医療保険への加入も検討しましょう。 予期せぬリスクに備えることで、安心して事業に集中できます。メンタル面での準備
不安定な収入への対応は、メンタル面での大きな課題です。 収入の変動を前提とした生活設計やストレス管理の方法を事前に考えておきましょう。 また、同じ境遇の仲間との関係性を構築し、情報交換や精神的サポートを得られる環境を整えることも有効です。独立時の手続き
独立時には、法的な手続きや知識の習得が必要になります。 これらを適切に行うことで、スムーズな事業開始が可能になります。個人事業主としての開業手続き
まずは税務署への開業届の提出が必要です。 また、事業の内容によっては許認可が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。 銀行口座の開設や、必要に応じて青色申告の承認申請も行います。確定申告や税金に関する知識の習得
フリーランスとして独立すると、自身で確定申告を行う必要があります。 所得税や消費税の仕組み、経費の計上方法などを学んでおくことが大切です。 税理士に相談するのも一案ですが、基本的な知識は自身で身につけておくべきでしょう。契約書の作成と法的リスクの理解
クライアントとの契約書作成は、トラブル防止の観点から非常に重要です。 業務範囲、報酬、納期、秘密保持などの条項を明確にしておきましょう。 また、著作権や知的財産権に関する基本的な法律知識も習得しておく必要があります。独立後のキャリア
フリーランスPMとして独立した後も継続的なスキルアップとキャリア形成が求められます。 キャリア形成では、大きく分けて、スペシャリストとゼネラリストの二つの道があります。 スペシャリストとしての道を選ぶ場合、特定の業界や技術分野に特化したエキスパートを目指します。 たとえば、金融系システムや医療系システムなど、専門性の高い分野でのPM経験を積み重ねていきます。 このキャリアでは、深い知識と経験が求められますが、高単価案件の獲得につながる可能性が高いです。 一方、ゼネラリストとしての道では、多様な業界やプロジェクトを経験することで、幅広い知識と柔軟性を身につけます。 さまざまな状況に対応できる能力が評価され、大規模プロジェクトのマネジメントや複数プロジェクトの統括などの役割を担うことができるでしょう。 さらに、経験を積んだ後は、コンサルタントやトレーナーとしてのキャリアも考えられます。 自身の経験を活かして、他のPMや企業にアドバイスを提供したり、PM育成のためのトレーニングを行ったりすることも可能です。 このキャリア形成では、より高度な知識と実績が求められますが、さらなる高収入につながる可能性があります。フリーランスPMに求められるスキルと経験

プロジェクトマネジメントスキル
これはプロジェクトの根幹を支えるスキルです。 特にWBS(Work Breakdown Structure)の作成能力は必須です。 具体的にはプロジェクトを細分化し、タスクの洗い出しと構造化を行います。 また、スケジュール管理も重要です。 納期を守りつつ、チームの負荷を適切に分散させる能力が求められます。 リスク管理やステークホルダー管理も欠かせません。コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、プロジェクトの成否を左右するスキルです。 情報を正確に伝え、相手の意図を適切に理解する能力が求められます。 また、交渉力も必要です。 プロジェクトの方向性や予算について、クライアントと建設的な話し合いができる能力が求められます。リーダーシップ
チームを牽引し、目標達成に導くリーダーシップは不可欠です。 メンバーのモチベーションを高め、個々の能力を最大限に引き出す力が求められます。 また、問題発生時には迅速な判断と対応が必要です。 チーム内の対立を解消し、協調的な雰囲気を作り出す能力も重要でしょう。技術的知識
IT分野での技術的知識は、プロジェクトの円滑な進行に欠かせません。 開発手法やITインフラに関する基本的な理解が必要です。 アジャイル開発やウォーターフォール型開発など、さまざまな開発手法の特徴を把握しておきましょう。 また、クラウドコンピューティングやAIなど、最新技術のトレンドにも注目が必要です。戦略的思考
プロジェクトの大局を見据えた戦略的思考力も大事です。 クライアントの事業目標を理解し、プロジェクトがどのように貢献するかを明確にします。 さらに、長期的な視点でリソースの最適配分を行う能力も求められます。 市場動向や競合他社の動きを分析し、プロジェクトに反映させる洞察力も必要でしょう。フリーランスPMで有利になる資格や経験

PMP(Project Management Professional)
PMPは、プロジェクトマネジメントの国際標準資格です。 この資格を取得すると、体系的なプロジェクト管理手法を習得したと認められます。 多くの企業がPMP保有者を求めており、案件獲得の可能性が大幅に高まります。 また、グローバル案件での評価も高く、海外展開を考えるPMには必須の資格といえるでしょう。ITIL(IT Infrastructure Library)
ITILは、ITサービスマネジメントの知識を証明できます。 この知識を持つことで、ITサービスの設計から運用まで、効率的に管理できるようになります。 特に大規模なITプロジェクトや、運用を含むプロジェクトでは、ITIL資格保有者の需要が高まっています。 サービスデスクの改善やITプロセスの最適化などの案件で重宝されるでしょう。アジャイル開発経験やスクラムマスター経験
近年、多くの企業がアジャイル開発を採用しています。 そのため、アジャイル開発の経験やスクラムマスターとしての実績は、非常に価値があります。 特にスクラムマスター認定資格(CSM)を持つPMは、高い評価を受けます。 迅速な開発や顧客ニーズへの柔軟な対応が求められるプロジェクトで、リーダーシップを発揮できるでしょう。フリーランスPMの単価相場

フリーランスPMの単価相場
フリーランスPMの平均単価は、月額80万円から85万円程度です。 ただし、案件の内容や難易度によって大きく変動します。 基本的なWeb制作案件では60万円程度から始まり、複雑な基幹システム開発では100万円を超えることもあります。 最高単価は250万円に達する案件も存在し、スキル次第で高収入を狙えます。経験年数別の単価目安
経験年数は単価に大きく影響します。 概ね以下のような目安となります。- 1〜3年:50万円〜70万円
- 3〜5年:70万円〜90万円
- 5年以上:90万円〜120万円
スキルレベル別の単価目安
スキルレベルによる単価の違いは以下のようになります。- 初級PM:50万円〜70万円
- 中級PM:70万円〜100万円
- 上級PM:100万円〜250万円
地域別の単価差
地域によっても単価に差があります。 東京を中心とする首都圏が最も高く、月額70万円程度です。 一方、地方では単価が下がる傾向にあり、たとえば福岡では60万円程度となっています。 ただし、生活費の違いを考慮すると、手取りの差は縮まります。 また、近年はリモートワークの普及により、地域間の単価差が縮小傾向にあります。 フルリモート案件は、常駐案件よりも平均して高単価になる傾向があるため、地方在住のPMにとってはチャンスでしょう。フリーランスPMで高単価案件を獲得するためのポイント

専門性の高い領域でスキルアップする
特定の業界や技術に特化したスキルを磨くことが、高単価案件獲得の近道です。 たとえば、金融系システムやAI開発など、需要の高い分野に焦点を当てましょう。 専門性が高まれば、その分野での希少価値が上がり、単価交渉で優位に立てます。 また、最新技術のトレンドにも常に注目し、スキルアップを怠らないことが大切です。実績とポートフォリオを構築する
高単価案件の獲得には、過去の実績が重要な判断材料となります。 そのため、大規模プロジェクトや難易度の高い案件を成功させた経験を積み重ねましょう。 さらに、これらの実績を分かりやすくまとめたポートフォリオを作成し、クライアントに提示できるよう準備してください。 具体的な成果や数字を示すことで、自身の価値をアピールできます。人脈を形成する
フリーランス業界では、人脈が案件獲得のカギを握ります。 業界イベントやセミナーに積極的に参加して、同業者やクライアントとの交流を深めましょう。 SNSを活用し、自身の専門性や実績を発信することも効果的です。 また、エージェントとの良好な関係構築も重要です。 信頼できるエージェントは、高単価案件の情報を優先的に提供してくれる可能性が高いでしょう。リピート顧客を増やす
一度信頼関係を築いたクライアントから継続的に案件を受注できれば、安定した高収入が見込めます。 プロジェクト中は常に期待以上の成果を出すよう心がけ、クライアントの満足度を高めましょう。 また、プロジェクト終了後も定期的に連絡を取り、関係性を維持することが大切です。 リピート顧客が増えれば、新規開拓にかける時間とコストを削減でき、より効率的に高単価案件を獲得できます。フリーランスPMの案件獲得ならならExpertyがおすすめ


まとめ


記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。