PMOコンサルタントとは?業務内容や年収、キャリアアップなども解説

目次
PMOコンサルタントとは?

PMOコンサルタントとPM(プロジェクトマネージャー)の違い
PMとPMOは役割が明確に異なります。PMはプロジェクトの総責任者として全責任を負い、プロジェクトの目的やメンバーを決定します。最も重要な業務は経営における意思決定です。 一方、PMOコンサルタントはPMの意思決定をサポートする立場にあります。プロジェクトデータの管理や現状の可視化を行い、PMが正しい意思決定ができるよう支援します。PMが本来の意思決定業務に集中できるよう、管理業務を担当するのがPMOの役割です。PMOコンサルタントの必要性や市場ニーズ
プロジェクトの円滑化を進めるため、PMOを導入する企業は増加傾向にあります。たとえば、コロナ禍以降デジタル化が進み、大規模なIT関連プロジェクトが増加しました。IT人材不足の観点から、IT領域のプロジェクトが多く設置されています。 また、PMの業務負担の重さも需要増加の理由です。プロジェクトが大きくなると、PMだけではガバナンスが効かず、意思決定に時間を割けなくなります。この状況への効率的な対処として、PMOを雇うことが考えられます。PMOコンサルタントの主な業務内容

プロジェクト総合管理
PMOコンサルタントは、複数のプロジェクトを横断的に管理し、全体の進捗や品質、コストを見える化するのが役割です。プロジェクトごとに異なる管理体制では情報が分断されやすいため、PMOが一元的に標準化・ルール策定を進めることで、組織全体のプロジェクト状況を正確に把握できるようにします。 その結果、課題の早期発見や対応が可能となり、品質や納期の安定化に寄与します。また、進行中の問題点を分析し、再発防止策を提案することで、継続的な改善も実現します。PMの意思決定や業務の支援
PMOコンサルタントは、PMが本来の意思決定や戦略立案に集中できるよう、日々の管理業務や情報整理を担います。進捗や課題、コストなどのデータを整理し、PMに必要なタイミングで的確な情報を提供します。 外部のPMOコンサルタントの場合は、さらにコスト削減や経営戦略に関する提案も行うことがあり、プロジェクト全体の費用対効果を向上させるのも業務の一つです。関係者の調整やリスクマネジメント
PMOコンサルタントは、プロジェクトに関わる多様な関係者(ステークホルダー)との調整役も担います。部署間や経営層との調整、システム要件の整理など、現場の声を正確に汲み取り、伝える力が求められます。 さらに、複数プロジェクトの状況を俯瞰し、リスクを早期に察知して解決策を提案・実行することで、トラブルの未然防止や成功率向上に取り組みます。PMOコンサルタントの職種・ポジション
PMOコンサルタントは、役割や経験に応じて主に三つの職種に分かれます。以下の表でそれぞれの特徴をまとめます。職種 | 主な業務内容 | 特徴・役割のポイント |
---|---|---|
PMOアドミニストレータ |
会議設定 議事録作成 進捗記録 資料作成 ※上記のような日常的な管理業務 |
プロジェクト運営の事務的サポートを担う |
PMOエキスパート |
プロジェクト標準化 ルール策定 業務プロセスの改善 プロジェクトの最善策を導入 |
業務効率化や品質向上を推進する役割 |
PMOマネージャー |
予算・人員管理 全体統括 プロジェクトポートフォリオの最適化 |
複数プロジェクトを横断的に管理・統括 |
PMOコンサルタントが「つまらない」と言われる理由
PMOコンサルタントは安定した需要がある一方で、「つまらない」と言われる側面もあります。その理由と対策を見ていきましょう。裏方業務が多く、成果が見えにくい
PMOコンサルタントは本質的に黒子役であり、プロジェクト成功時も表舞台に立つことはほとんどありません。管理や調整が主な業務のため、自分の貢献が目に見えにくく、達成感を得づらい傾向があります。 対策としては、「月に3つの横断課題を解決する」など具体的な個人目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。また、プロジェクト全体の成功を自分の成果として捉える視点を持つことで、やりがいを見出せます。ルーチンワークや調整業務の多さ
日々のスケジュール管理や会議調整など、定型的な業務が多いことも不満の原因です。経験を積んでも基礎的な作業から解放されないケースもあります。 しかし、PMOの経験はPMへのステップアップに直結します。積極的にリスク検知や報告など上流業務に関わることで、キャリアの幅を広げられます。また、PMOコンサルタントは平均以上の収入が期待できる点も魅力の一つです。PMOコンサルタントの年収・キャリアアップ
PMOコンサルタントの年収は働き方によって大きく異なり、キャリアの形成も多様です。PMOコンサルタントの年収相場
会社員PMOコンサルタントの平均年収は600万円〜800万円程度です。事業会社のPMOは600万円〜800万円、コンサルティングファームのPMOは800万円〜1,800万円程度となっています。日本人の平均年収が460万円程度であることを踏まえると、PMOコンサルタントは比較的高収入を期待できる職種といえます。 一方、フリーランスPMOコンサルタントの平均的な年収は1,000万円前後も可能です。高スキルの案件では月100万円〜150万円の案件も存在し、年収1,200万円〜1,800万円も狙えます。 参考:国税庁キャリアアップの一例
PMOコンサルタントからのキャリアアップには、PMへのステップアップが典型的です。成功するポイントは「PMOの役割でも自発的にPMに近しい挙動を取る」ことです。 具体的には「リスクを事前に検知して自ら報告する」「導入フェーズにも関わる」「PMがそのまま使える粒度で報告する」などの行動が有効です。 また、ITコンサルタントへの転職も選択肢の一つです。PMOとしての業務経験はITコンサルタントのキャリアにも直結し、ドキュメント作成能力や調整力が活かせます。アクセンチュアなど大手ファームへの転職
大手コンサルティングファームへの転職も選択肢になります。たとえば、アクセンチュアの平均年収は約860万円で、ポジションによっては1,100万円〜2,300万円も可能です。 転職を成功させるには、ベンダーサイドのみならず、ユーザーサイドでの経験も重要です。たとえば、事業会社でのERP導入経験があれば、現場視点での進行管理ができ、クライアントからの信頼も得やすくなります。PMOコンサルタントに求められるスキル・資格
PMOコンサルタントには多様なスキルが求められます。適切なスキルと資格を身につけることで市場価値を高め、キャリアアップにつなげられます。必須スキル
PMOコンサルタントに求められる必須スキルは多岐にわたりますが、特に大事なものを紹介します。コミュニケーション・調整力
コミュニケーション能力はPMOコンサルタントにとって重要なスキルの一つです。PMOチームやプロジェクトメンバーの育成、プロマネへの助言、上層部やクライアントへの進捗報告など、多くの人と関わる立場だからです。 各部署や上層部との折衝が発生する場面では、伝えるべきことを正しく言語化し、相手の意図や困りごとを正しく汲み取る能力が必要です。日頃から信頼関係を築いた上で適切な言葉選びができると、チームのモチベーション維持にもつながります。マネジメント・マルチタスク能力
プロジェクト計画の立案や人員配置などの業務に携わるため、高度なマネジメントスキルが求められます。リスクマネジメント能力やタイムマネジメントスキルは特に重要で、プロジェクトのリスクを最小化し、納期を遵守するために必須です。 また、同時期に複数のプロジェクトを担当することも多く、マルチタスクスキルが必要となります。複雑なプロジェクトの状況を分析し、問題や課題を特定して解決策を提案する能力も求められます。IT・システム開発の知識
ITプロジェクトに関与することが多いため、IT技術に対する理解も必要です。基本的なIT業界用語やシステム開発におけるプロセス、データ管理やセキュリティに対する知見を持つなど、さまざまな知識があることは大前提です。 特にIT関連のPMOコンサルタントの需要は高く、エンジニアとの打ち合わせなどを考慮すると、システム開発の知識や経験は必須といえます。あると有利な資格
PMOコンサルタントとしてのスキルを証明するために、いくつかの資格取得が有効です。日本PMO協会のプロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格は、オンライン完結型で自宅や職場から取得可能です。 その他にも、PMOスペシャリスト認定資格、PMP(Project Management Professional)資格、プロジェクトマネージャ試験なども有効です。特にSAP認定資格など個人では取得しにくい資格は、キャリアアップや独立の際に武器になるでしょう。PMOコンサルタントを目指すには
PMOコンサルタントになるには、現状に適する対策が必要です。ここでは、未経験から目指す方法と転職やキャリアアップのポイントを紹介します。未経験から目指す方法
PMOコンサルタントは、プロジェクトマネジメントの知識と経験が求められますが、未経験からの挑戦も可能です。そのために、まずは基本的なプロジェクトマネジメントの知識を身につけるため、書籍やオンラインコースで学ぶことが有効です。 また、小規模なプロジェクトから経験を積むことも大切です。社内のプロジェクトに積極的に参加し、プロジェクト管理の基礎を実践的に学びましょう。プロジェクト管理ツールの使い方や会議の進行方法、ドキュメント作成のスキルなど、基本的なスキルを磨くことが重要です。転職・キャリアアップのポイント
PMOコンサルタントとしてキャリアアップするためには、実績を積み上げることが最も重要です。特にPMOの役割でも自発的にPMに近い行動を取ることで、評価が高まり、キャリアアップにつながります。 そして、求人を探す際はエージェントサービスを利用すると効率的です。選考では、過去のプロジェクト経験や問題解決能力が重視されます。面接では具体的な事例を交えながら、自分がどのようにプロジェクトに貢献したかを明確に伝えることが大切です。PMOコンサルタントで案件獲得を目指すならExpertyがおすすめ
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PMOコンサルタントは、プロジェクトの成功を支える重要な職種です。裏方業務が多く「つまらない」と言われることもありますが、平均以上の年収や明確なキャリアアップのチャンスがあり、将来性のある職種といえます。 未経験からでも目指せる道があり、コミュニケーション能力やマネジメントスキルを磨くことで活躍の場が広がります。 高収入と安定した案件獲得を目指すなら、Expertyのような専門サービスの活用がおすすめです。まずは登録してみてはいかがでしょうか。記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。