コンサルティングとは?仕事内容や業界の特徴・どんな人が向いているかを解説!
コンサルティングの仕事と聞くと「助言やアドバイスをする仕事」「問題解決・分析をする仕事」といったイメージを持つ方が多いです。
確かにコンサルティングに必要な業務ですが、コンサルティングの仕事はこれ以外にも多岐にわたります。
さらに関わる業界によって業務内容も変化するため、人によって向き不向きが存在します。
そこで本記事では、コンサルティングの具体的な仕事内容や、各業界の特徴、コンサルタントに向いている人の特徴について解説します。
目次
コンサルティング(コンサルタント)とは?
コンサルティング(コンサルタント)とは簡潔に言うと「問題を見つけ、解決する仕事」です。
相手は、企業・社長(経営者)・個人事業主・政府などさまざまです。
クライアントの業界や仕事内容、立場によってコンサルティング内容は細かく変化するため、柔軟性を求められます。
また問題を見つけるだけでなく、解決するための改善策を提案・実行する力も必要です。
さらにIT・人事・財務・戦略など、業界ごとの専門知識やトレンド情報を常に学び続ける姿勢も求められます。
コンサルタントとして働く場合、コンサル事業を専門にしているコンサルティングファーム(会社)に所属するパターンと、フリーランスのコンサルタントとして活動するパターンに分かれます。
一般的に、フリーのコンサルタントの方が自由度が高く報酬も高いとされていますが、独立にも向き不向きがあるため、自分の強みを把握し賢く選択することが結果を出し続ける上で重要です。
一般企業とは仕事内容が大きく異なる特別な仕事なので、コンサルティング業界についてざっくりとしたイメージを持つ方は多いでしょう。
そこで次の章では業界の規模や風土、案件の受け方など、コンサルティング業界の特徴についてわかりやすく解説します。
コンサルティング業界の特徴・風土
コンサルティング業界は、クライアントの分野によって内容が多岐にわたります。
1990年以降から、特定の分野に特化したコンサルティングファーム(会社)が次々と誕生し、現在は海外進出やデジタル化に伴い、さらに業界の裾野が広がっています。
2008年には800社程度だったコンサルティングファーム(会社)も、2012年には1,600社まで増え、今後も成長が見込まれている業界です。
ただ前述した通り、専門分野が異なる場合でも「課題を見つけ、解決策を提案・実行する」ことには変わりありません。
なお、コンサルティングファーム(会社)は、日系と外資系で求められるスキル・コンサルティングスタイル・風土が大きく異なります。
日系 | 外資系 | |
求められるスキル | ファームへの誠実性・協調性 | 積極的な自己アピール |
コンサルティングスタイル | ・年齢や経歴に関係なく積極的に企業相手に営業、案件獲得を行う。 ・コンサルティングファームの場合、1人のコンサルタントが複数のクライアントを常に同時担当することが一般的。→長期に渡り、個人でコンサルティングを行う。 | ・リーダーが案件を受注したのち、5人前後のコンサルタントで3ヶ月程度のプロジェクトを遂行する場合が多い。 ・コンサルタントがプロジェクトの掛け持ちをすることは少なく、プロジェクト開始早々に問題点を割り出し、解決策を提案・実行する。→プロジェクト制でスピード感がある。 |
風土 | ・年功序列の文化が残っているファームが多く、外資系ほどコンサルタントに対して厳しい評価が下されないため、離職率は低め。 ・専門分野に強いベテランコンサルタントが貢献し続けられる環境。・営業成績によってボーナスが大きく変動する。 | ・Up or Out(昇進するか、さもなくば去れ)の文化。 ・1人のコンサルタントに対して、数多くのベテランコンサルタントたちが厳しく議論・評価を行う。・1人のコンサルタントに対して時間と労力を投資するため、プロは成長し続けて当たり前の精神。 |
上記の表の通り、日系と外資系ではコンサルティングスタイルや文化が異なるため、ファームへの就職を考えている方でも向き不向きがあります。
自分の価値観・なりたい人物像・理想のライフスタイルなどを考えた上で、コンサルタント業界にチャレンジすることをおすすめします。
【参考】帝国データバンク
コンサルティングの主な3つの仕事内容
コンサルティングにおける基本は、クライアントの課題を明確にし、改善策を提案・実行することです。
担当する分野が違えど、コンサルティングの流れは変わりません。
そこで本章では、コンサルティングにおける基本的な仕事内容について、以下3つの流れに分けて具体的に解説します。
- 情報収集・分析
- 戦略・改善策の提案と実行
- 現状把握・課題発見
コンサルティングの仕事に興味がある方や、自分に向いている業界かどうか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
1.情報収集・分析
クライアントに対して、依頼内容・依頼背景などのヒアリング・ミーティングを行います。
そこからクライアントから受け取った資料をもとに、課題に関する内容(事業・業務・組織など)の分析を行います。
【情報収集・分析する内容の例】
- クライアントがその業界内ではどの位置にいるのか
- クライアントの業界の市場規模
- 競合他社
- 経営、財務、営業数値
- クライアントの強みと弱み
- クライアントが扱う製品やサービス
- 各部署の従業員へのヒアリング など
経営状況を正しく把握するために、現場スタッフの声を聞きに行ったり、クライアントのサービスや製品を利用する場合もあります。
コンサルティングの方針を決める上で重要な部分です。
2.戦略・改善策の提案と実行
受け取った資料や情報収集・分析した内容をもとに、現在の業務形態をチャートやUMLなどで図式化し、業務プロセスの問題点を明確にします。
そこから問題を解決するための戦略・改善策について仮説を立て、仮説に基づいた調査・検証を行います。
【問題点を検証するやり方の一例】
- 統合か廃止か
- 簡素化か削除か
- 確実化か厳密化か
- 集約か集中か
- 効率化か自動化か
- アウトソースするか
クライアントの問題が解決されない場合は、再度別の仮説を立てて検証を行います。
その後クライアントへの報告会を設け、作成した戦略・改善策の提案に合意をもらい、プロジェクトの実行に移っていく流れです。
3.現状把握・課題発見
プロジェクトが実行されても、クライアントの課題がスムーズに改善するとは限りません。
現場の業務スタッフから新しいやり方に対して反発を受ける場合もあります。
そのためコンサルタントは経営層から現場スタッフまでの意思疎通や説得にあたり、プロジェクトを遂行させなければなりません。
状況に応じてクライアントの情報システム担当者や経営企画室の担当者と、システムの導入・構築についてミーティングを行い、導入時はサポートも行います。
プロジェクト実行後は、定期的にクライアントを訪問し、業務が定着しているか、新たな課題が生まれていないかなどの情報を集め、分析、戦略、改善策の提案、フォローまで担当します。
以上の通り、コンサルティングは常にPDCAサイクルで業務が進んでおり、止まることがありません。
なお、コンサルティングファームに所属する場合は、上記内容のような流れで業務が進みますが、フリーコンサルタントの場合は業務スタイルが若干異なります。
収入面や自由度も異なるので、次の章ではファームに所属した場合とフリーランスコンサルタントとして活動する場合の違いについて解説します。
ファーム所属とフリーのコンサルタントの違いは?
コンサルタントで独立する方は、新卒でファームに就職し経営に関わる立場に着く前にフリーになるパターンが多いです。
ファームとフリーでは、コンサルティング業務に関して異なる箇所があります。
そこで本章では、特に違いが大きい以下3点に絞って解説します。
- フリーランスは常駐かフルリモートか選べる
- プロジェクトを自分で選択できる
- フリーランスの方が報酬が高い傾向にある
コンサルタントとしてさらにレベルアップしたい方や、自分に合った働き方を手に入れたい方で独立を考えている場合は、本章の内容を参考にしてみてください。
フリーランスは常駐かフルリモートか選べる
フリーランスで働く場合、「クライアントの企業に常駐するか」か「在宅でリモート作業するか」を案件を選ぶ事でご自身の働き方を選択できます。
リモートを選んだ場合、通勤時間を大幅に減らす(無くす)ことができるのは大きなメリットでしょう。
契約内容を守り求められる結果を出してさえいれば、クライアントから業務スタイルを指示されることもないため自由に働くことが可能です。
その他、ファームとの働き方の違いは以下の通りです。
【フリーコンサルタント|ファームとの働き方の違い】
・稼働状況を自分でコントロールできる
急な用事で数時間休みを設ける、長期休暇を作る、子育てを並行させるなど、ライフスタイルに合わせて働くことが可能。
・セルフマネジメント能力が求められる
時間管理や業務管理を自身で行う必要があり、自由度は高くてもクライアントとの契約内容を果たし、課題を解決させなければいけない。
なお、ファームでは労働時間やコンサル業務がある程度管理されているため、フリーランスほど気にかける必要はありません。
プロジェクトを自分で選択できる
ファームの場合、自分が希望する案件に携われるとは限らず、プロジェクトチーム内での役割も自分の希望が必ず通るわけではありません。
フリーランスであれば、自分の得意分野のコンサルティング案件を選ぶことが可能です。
また、多少収入が減っても未経験の分野に挑戦できる可能性もあるため、積極的にスキルアップしたい方には嬉しいポイントでしょう。
フリーコンサルタントの方が報酬が高い傾向にある
一般的にフリーランスのコンサルタントは、ファーム在籍者よりも収入が高いと言われています。
これは本来ファームに入る分の報酬が、フリーランスであれば全て自分の報酬として入るためです。
さらに、パフォーマンス次第では報酬が上がるケースもあります。
案件にもよりますが、ファーム所属時の2倍以上に増えることも珍しくありません。
フリーランス向けにコンサルティング案件を紹介している「Experty」では、200万円以上の高額案件も取り扱っています。登録3分程度で、すぐに案件にアクセスできますのでぜひご覧ください。
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コンサルティングの種類は5つ
コンサルティングの種類は大きく分けて以下の5つです。
- 戦略系コンサルティング
- ITコンサルティング
- WEBコンサルティング
- 人事・HR系コンサルティング
- 財務・会計系コンサルティング
チャレンジしたい分野や得意分野がすでにある方は、紹介する内容を参考にしてみてください。
【関連記事】コンサルティング業界の種類とは?
戦略系コンサルティング
戦略系コンサルティングは、主に外資系のファームが市場を占めています。
老舗のコンサルティングファームが並び、手がけるプロジェクトも経営戦略・新規事業戦略・M&A戦略などのトップテーマがほとんどです。
【戦略系コンサルティングファーム 一例】
- マッキンゼーアンドカンパニー
- ボストンコンサルティンググループ
- ベインアンドカンパニー
- A.T.カーニー
グローバル展開されることが多いため、高い英語スキルを求められます。
ITコンサルティング
大企業から中・小・ベンチャー企業のITコンサルティングを行います。
クライアントの生産管理・業務の一元化にITシステムを導入・実装のサポートが一般的な業務内容です。
【IT系コンサルティングファーム 一例】
- ガートナージャパン
- フューチャーアーキテクト
- ウルシステムズ
- ケンブリッジテクノロジーパートナーズ
最近では戦略にも力を入れるところが多く、経営者層から現場までのITコンサルティングを行うファームも増えてきています。
WEBコンサルティング
クライアントのWEBサイトから問題・改善点を見つけ、WEBマーケティングやサイト運営のアドバイスを行います。
その他、SEO対策・広告運用・SNS運用・DM配信など多岐に渡り、クライアントの商品やサービスが売れる仕組み作りをサポートします。
【WEB系コンサルティングファーム 一例】
- 電通デジタル
- サイバーエージェント
- アイエムジェイ
- オプト
- セプテーニ
WEBコンサルティングはファームによって得意分野が細かく異なるため、ファームへの就職を考えている方は、自分が得意なジャンルを手がけているファームへの就職がおすすめです。
人事・HR系コンサルティング
企業が目指す人事体制・組織体制の構築、人事戦略の策定や導入、人材育成などのコンサルティングを行います。
さらに給与、福利厚生、年金、人材開発などの様々なテーマを扱うことも多いため、日本の企業文化や風土への理解が必要です。
【人事・HR系コンサルティングファーム 一例】
- マーサージャパン
- タワーズワトソン
- エーオンヒューイットジャパン
- コーンフェリーヘイグループ
近年は組織の風土改革を行う企業も多く、外資系のコンサルティングファームも活躍しています。
【関連記事】HRコンサルとは?人事領域のコンサルタントになるためのポイントを紹介!
財務・会計系コンサルティング
クライアント企業の事業価値や資産状況を分析し、財務や経理に関するコスト削減や業務の効率化をサポートします。
具体的には、資金調達やM&Aに関するアドバイス、会計業務の効率化、法規制による対応や業務の監視、業務に関する費用削減などです。
ファームによって得意分野が細かく異なるため、ファームへの就職を考えている方は、ファームごとの特徴を把握することが重要です。
【財務・会計系コンサルティングファーム 一例】
- PwCアドバイザリー
- デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー
- KPMG
コンサルティング業界は種類が様々で、扱うテーマも多岐に渡ります。
結果を出し続ける優秀なコンサルタントを目指すのであれば、自分の得意分野や強みを活かす必要があります。
ただし人によっては向き不向きがあるため、次の章ではコンサルティング業界が向いている人の特徴について紹介します。
コンサルティングの仕事が向いている人とは?4つの特徴
本章ではコンサルタントに向いている人の4つの特徴について解説します。
コンサルティング業界に興味がある方は参考にしてみてください。
- 好奇心旺盛・ポジティブな人
- プロ意識が強い人
- 論理的思考力がある人
- コミュニケーション能力がある人
また、転職を考えている方も、この機会に適性をチェックしてみてください。
好奇心旺盛・ポジティブな人
コンサルティング業務は、クライアントの課題解決を叶えるために、情報収集・分析・戦略・改善策の提案と実行を行います。
クライアントの分野や企業風土に詳しくなる必要性があり、常に学び続ける姿勢が求められます。
さらに数学のように決まった答えがあるわけではなく、常に満足できる結果が出るとは限らないため、ポジティブ思考で前進し続けるマインドが必要です。
知らないことを積極的に吸収することが好きな人はコンサルティング業界に向いているといえるでしょう。
プロ意識が強い人
クライアントの課題を解決するためには、表面だけの単純な問題解決で終わらさないこと、現状維持で満足しないことが重要です。
コンサルタントである以上、詳しくない分野でも積極的に勉強し、クライアントの現状を今以上にレベルアップすることが求められます。
結果を出し続ける優秀なコンサルタントになるためには、常に高い向上心や強いプロ意識を持つことは欠かせない要素です。
論理的思考力がある人
コンサルタントはクライアントのありとあらゆる課題に対して、最適解を導き出さなければなりません。
集めた情報をもとに様々な要素同士の繋がりに注目し、筋道をたて、クライアントが納得できる戦略・改善策を、根拠や理由をあげつつ提案できる力が必要です。
説得力のある提案ができなければクライアントに納得してもらえません。
コンサルティング業界への就職を考えるのであれば、論理的思考力は重要なスキルと言えます。
コミュニケーション能力がある人
コンサルタントはクライアントの課題を解決することが仕事なので、必要とあらば各部署や担当者への交渉・調整を行います。
時には経営層や現場スタッフまで幅広くコミュニケーションをとる機会があり、相手の話を聞きつつ、自分の意見を伝え対応してもらうスキルが求められます。
話し上手・聞き上手な方はコンサルタントに向いているといえるでしょう。
【関連記事】コンサルタントはどんな人が向いている?優秀なコンサルタントの特徴と必要なスキル
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まとめ|コンサルティングは業務改革に無くてはならない分野
コンサルティングとは、クライアントの困りごとを解消するために、問題や原因を見つけ解決する仕事です。
クライアントの業界や仕事内容、立場によってコンサルティング内容は細かく変化するため、業務内容は多岐に渡ります。
さらに問題解決に向けた情報収集や分析・論理的思考・高いコミュニケーションスキルなどが求められるため、高いプロ意識が必要です。
また、コンサルタントはファームとフリーで業務スタイルや報酬が大きく異なります。
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