アクセンチュアとは?ITコンサルタントとして活躍するために必要なスキルも解説

「ITコンサルタントとして活躍したい、でもどうすればなれるのか分からない。」
そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世界最大級の経営コンサルティングファームであるアクセンチュアについて解説し、ITコンサルタントの仕事内容、求められるスキル、キャリアパスについて紹介します。
アクセンチュアのITコンサルタントになるための具体的なステップも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
アクセンチュとは?

アクセンチュアは、世界最大級の経営コンサルティングファームです。
テクノロジーを活用した企業変革を支援する国際的な企業として知られています。
グローバルリーダーとしての地位
アクセンチュアは120カ国以上で事業を展開し、77万人以上の従業員を抱えています。
世界中の大企業や政府機関にサービスを提供し、その影響力は絶大です。
2023年の総収益は約641億ドルに達し、Fortune Global 500にも名を連ねています。
「High Performance. Delivered.」というコンセプトのもと、戦略立案から実行支援まで幅広いサービスを展開しています。
アクセンチュアの強み
アクセンチュアの強みは、ITテクノロジー導入の速さと開発力です。
クライアントの要望に対し、数日で精度の高い提案ができる点が他社と一線を画します。
また、戦略立案から実行、効果検証までを一貫して行うフルラインナップのコンサルティングも強みです。
さらに、AIやクラウドなどの最新技術への投資を惜しまず、常に革新的なソリューションを提供し続けています。
アクセンチュアの組織構造
アクセンチュアの組織構造は、専門性と効率性を両立させる設計になっています。
5つの専門部門
アクセンチュアは5つの主要部門から構成されており、それぞれが専門性を持ちながら連携してクライアントの多様なニーズに応えています。
部門名 | 主な業務内容 |
ストラテジー&コンサルティング | ・C-suite幹部や経営層と協働し、企業の成長促進、競争力強化、業務改善、コスト削減、持続可能な価値創出を支援
・業界知識と機能的専門性を活かした戦略立案と実行支援を提供 |
テクノロジー | ・クラウド、システム統合、アプリケーション管理、セキュリティ、インフラサービス、ソフトウェアエンジニアリング、データ・AI、自動化などの革新的かつ包括的なサービスを提供
・生成AI、ブロックチェーン、ロボティクス、5G、エッジコンピューティングなど最新技術の早期導入を継続的に推進 |
オペレーションズ | ・ビジネスプロセスの最適化や業務効率化を支援
・クライアント企業の業務オペレーションをアウトソーシングで引き受け、複数年にわたる連続的なデジタル業務改革を実施 |
インダストリーX | ・製造業のビジネス改革を中心に、エンジニアリングや工場・プラントオペレーションのデジタル化を支援
・産業のデジタル変革を専門とする |
ソング(旧インタラクティブ) | ・デザイン、デジタル製品、マーケティング、コマース、カスタマーサービスなどのサービスを提供
・複数チャネルにわたるユーザー体験の創造、ブランド価値の強化、シームレスな購買体験の構築、カスタマーサービスの革新を支援 |
アクセンチュアはこれらの5つの部門を通じて、クライアントのビジネス変革を包括的に支援しています。
各部門が連携することで、戦略立案から実行、運用、改善までをワンストップで提供できる体制を整えています。
テクノロジー部門の詳細
テクノロジー部門は、アクセンチュアの中核を担う組織です。
クラウド、AI、ビッグデータなどの最新技術を活用し、クライアントのビジネス変革を技術面から支えます。
この部門では、システムアーキテクチャの設計からアプリケーション開発、インフラ構築、運用保守まで幅広いサービスを提供します。
特にクラウド移行支援では、AWS、Azure、Google Cloudなど主要プラットフォームに精通したスペシャリストが多数在籍しています。
アクセンチュアのプロジェクト体制
アクセンチュアのプロジェクト体制では、各役職が明確な役割を担い、効率的なプロジェクト運営を実現しています。
以下の表は、アクセンチュアの主要な役職とその役割を簡潔にまとめたものです。
役職 | 役割 |
マネージング・ディレクター | ・複数のプロジェクトを統括し、クライアントの経営層との関係構築や重要な意思決定を担当
・クライアント統括責任者として全プロジェクトに責任を持つ |
シニアマネージャー/マネージャー | ・現場責任者として全体方針の検討、推進メンバーの成果物レビュー、経営層への報告を担当
・プロジェクト全体のアウトプット品質に責任を持つ |
シニアコンサルタント/コンサルタント | ・推進メンバーとして、クライアントへのヒアリング、課題取りまとめ、資料作成を担当
・現場責任者に重要ポイントをシンプルに説明する役割も果たす |
アナリスト | ・データ収集・分析、資料作成、プレゼンテーション資料の準備などの実務を担当
・クライアント企業の現場調査も行う |
アカウントリード | ・BPOサービス提供におけるクライアント担当責任者
・契約に従って高品質で安定したサービスを提供しながら、継続的に価値提供を提案 |
アクセンチュアのITコンサルタントの特徴

アクセンチュアのITコンサルタントは、テクノロジーとビジネスの両面に精通した専門家です。
高度な専門性と問題解決能力を強みとして、クライアントをサポートします。
激務の実態
アクセンチュアのITコンサルタントは、かつて「激務」のイメージが強く定着していました。
そのため、労働時間が非常に長く、体調を崩す社員も少なくありませんでした。
しかし、近年は働き方改革が進み、労働環境は大きく改善しています。
ただし、プロジェクトの山場や納期直前には一時的に忙しくなる傾向があります。
特にクライアントの期待値が高い案件や、プロジェクトが途中で炎上した場合は労働時間が長くなりがちです。
また、ITシステム導入に伴う休日出勤が発生することもあります。
それから成果主義の文化が根付いているため、高い目標達成へのプレッシャーを感じる社員も少なくありません。
複雑で専門性の高いプロジェクトでは、迅速な意思決定や解決策の提示が求められます。
年収と待遇
アクセンチュアのITコンサルタントの年収は、一般的な日本企業と比較して高水準です。
平均年収は約830万円となっています。
役職別に見ると、アナリスト(1〜3年目)で400〜650万円、コンサルタント(3〜6年目)で800〜1,200万円、マネージャー(5〜10年目)で1,000〜1,500万円の年収が期待できます。
給与体系は年俸制を採用しており、基本給にボーナスや残業代が加算されます。
ボーナスは年1回支給され、会社業績と個人評価に応じて変動します。
マネージャー未満の役職では残業代も支給されるため、若手でも高い収入を得られる可能性があります。
また、成果主義の文化が浸透しており、評価に応じて昇給・昇格のスピードが変わります。
優秀な社員は1〜2年で次の役職に昇格することもあり、早期からキャリアアップの機会が豊富に用意されています。
ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントは、クライアント企業のビジネス課題をテクノロジーで解決する専門家です。
ここでは、ITコンサルタントの仕事内容を紹介します。
主要な業務領域
ITコンサルタントの業務領域として、クライアントのIT化コンサルティングがあります。
これは経営課題を分析し、それを解決するための最適なIT戦略を立案する業務です。
具体的には経営層へのヒアリングや現状分析を通じて、実用的なITソリューションを提案していきます。
また、システム開発・運用・保守では、提案したITソリューションの実装を支援します。
システム要件の定義から設計、開発、テスト、導入までの一連のプロセスをマネジメントします。
さらに、導入後のシステム運用や保守についても助言を行います。
ほかにもプロジェクトマネジメントでは、IT導入プロジェクトの計画立案、進捗管理、リスク管理、品質管理などを担当します。
複数のステークホルダー間の調整や、プロジェクトチームのマネジメントも重要な役割です。
専門的知見を活かした提案も業務の一つであり、最新のIT技術動向や業界知識を活かし、クライアント企業に最適なソリューションを提案します。
たとえば、AI、クラウド、ビッグデータなどの先端技術の活用方法や業界特有の課題解決方法を提示します。
具体的なプロジェクト例
具体的なプロジェクト例として、デジタルトランスフォーメーション支援が挙げられます。
これは企業のビジネスモデルや業務プロセスをデジタル技術で根本から変革します。
たとえば、日本の保険会社明治安田生命では、全社的なAIプログラムの設計と導入をアクセンチュアが支援しています。
クラウド移行プロジェクトでは、オンプレミス環境からクラウド環境への移行を支援します。
アクセンチュアは独自のクラウド移行フレームワークを活用し、インフラ、アプリケーション、データを評価して最適な移行戦略を策定します。
ほかにもAIやビッグデータ活用の戦略立案では、企業が保有するデータを活用し、ビジネス価値を創出するための戦略を立案します。
UAEの中央銀行では、金融機関の監督業務を強化するためのデータ管理プロジェクトをアクセンチュアが支援し、AI駆動の意思決定を可能にしています。
ITコンサルタントに求められるスキルと経験

ITコンサルタントには、技術的スキルとビジネススキルの両方が求められます。
これらのスキルをバランスよく身につけることで、クライアントに価値を提供できます。
技術的スキル
ITコンサルタントに必要な技術的スキルで大事なのは、システム分析とプログラミングの基礎知識です。
クラウド、AI、ビッグデータなどの最新技術トレンドへの理解も求められるでしょう。
たとえば、クラウド移行プロジェクトでは、AWS、Azure、Google Cloudなどの主要プラットフォームの特徴を把握し、最適な選択ができる知見が求められます。
また、ITアーキテクチャの設計能力も必要です。
なぜならクライアントの既存システムを分析し、将来を見据えた拡張性のある設計を提案する必要があるからです。
ほかにもセキュリティの知識も必要となり、サイバー攻撃の脅威や対策について最新情報を常にアップデートする必要があります。
さらに、アジャイル開発やDevOpsの手法に精通していることも、現代のITコンサルタントには求められます。
これらの方法論を理解し、クライアントの開発プロセス改善に活かせるスキルが重要です。
ビジネススキル
ITコンサルタントのビジネススキルのなかで最も重要なのは、戦略的思考力です。
クライアントの業界動向や競合状況を分析し、中長期的な視点でIT戦略を立案できる能力が求められます。
たとえば、デジタルトランスフォーメーション案件では、クライアントのビジネスモデル全体を理解し、技術導入による変革の道筋を描く必要があります。
また、コミュニケーション能力も不可欠です。
技術的な内容を非技術者にもわかりやすく説明し、クライアントの経営層を説得できるプレゼンテーション力が求められます。
加えて、プロジェクト内外の多様なステークホルダーと円滑に協働するための調整力も重要です。
プロジェクトマネジメントスキルも求められるスキルです。
スケジュール管理、リスク管理、品質管理などを通じて、複雑なIT導入プロジェクトを成功に導く能力が求められます。
さらに、コスト管理や投資対効果の分析など、財務的な観点からプロジェクトを評価する能力も必要です。
アクセンチュアのITコンサルタントになるためのステップ

アクセンチュアのITコンサルタントになるには、以下のステップを踏む必要があります。
- 学歴フィルターの確認
- スキルの習得
- ビジネススキルの向上
- 業界知識の習得
- インターンシップへの参加
- 新卒・中途採用への挑戦
まず学歴面では一流大学の理系学部やMBAなどの高度な学位取得が有利です。
アクセンチュアは学歴フィルターが厳しく、特に新卒採用では有名大学出身者が多く採用される傾向があります。
スキルとしては、プログラミング言語の基礎知識やクラウド技術の理解、AI・機械学習の基礎知識などが求められます。
ただし、SEほど深い技術力よりも技術の本質を理解し説明できる能力が重視されます。
ビジネススキルでは、論理的思考力やプレゼンテーション能力、英語力を強化してください。
特に英語はTOEIC 900点以上が目安となり、グローバルプロジェクトでは日常的に英語を使用します。
しかし、アクセンチュアへの入社は非常に競争率が高く、中途採用はさらに狭き門で、専門性と実績が厳しく問われます。
このような状況から、ITコンサルタントとしてのキャリアを築きたい場合は、Expertyのような案件獲得や転職支援に強みのあるサービスを利用しましょう。
ITコンサルタントで働くならExpertyがおすすめ

ITコンサルタントとして働くなら、Expertyの利用がおすすめです。
Expertyは、フリーランスのITコンサルタント向けに特化した案件紹介サービスで、高単価案件が豊富にそろっています。
また、週1時間からフルタイムまで、柔軟な働き方に対応した案件を多数取り扱っているため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
大手上場企業120社以上との直接契約により、中間マージンを抑えた高報酬案件を紹介しています。
それから、専任のコンサルタントが丁寧にサポートするため、未経験者でも安心して案件に参画できます。
Expertyを活用すれば、ITコンサルタントとしてのキャリアアップや収入アップを効率的に目指せます。
まずはExpertyに登録してキャリアを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ITコンサルタントは、高度な技術力とビジネス感覚を併せ持つ魅力的な職業です。
アクセンチュアのような大手企業への就職は難関ですが、フリーランスとしての道も開かれています。
重要なのは、技術とビジネスの両面でスキルを磨き続けることです。
そして、Expertyのようなサービスを活用し、実践の場で経験を積むことも大切です。
本記事を参考にしつつ、ITコンサルタントを目指してみましょう。

記事監修者の紹介
アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。