業務コンサルタントとITコンサルタントの違いを徹底解説!

変化の激しいビジネス環境において、企業の課題解決に取り組む存在として注目されているのが業務コンサルタントとITコンサルタントです。 両者は「コンサルタント」という共通点を持ちながらも、専門領域や役割、必要なスキルは大きく異なります。 本記事では、業務・ITコンサルタントのコンサルティング業務における立ち位置や仕事内容や違い、求められる人物像、キャリアまで解説します。自分に合ったキャリアを選択したい場合は、ぜひ参考にしてください。

業務コンサルタント・ITコンサルタントとは?

ビジネスの現場で「課題解決のプロ」として活躍するのが業務コンサルタントとITコンサルタントです。両者は似ているようで、専門領域や役割が大きく異なります。ここでは、両者の主な立ち位置と役割を解説します。

業務コンサルタントとは

業務コンサルタントは、企業の業務プロセスを分析し、効率化や最適化を図る専門家です。クライアントの現状を把握し、課題を抽出したうえで、最適な業務フローや改善策を提案します。 サプライチェーンや販売、製造、流通などの流れを見直し、生産性向上やコスト削減を目指します。経営資源の有効活用や組織変革の推進役として重要な存在です。

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントは、IT技術を活用し、企業の経営課題や業務上の問題を解決する専門家です。IT戦略の策定やシステム導入、業務のデジタル化推進などを担い、最適なITソリューションを提案・実行します。 ERPやCRMなどのシステム導入支援やセキュリティ対策も担当するため、技術力と論理的思考、コミュニケーション能力が求められます。

業務コンサル・ITコンサルタントの違い

ビジネスの変革を支えるコンサルタントには多様な役割がありますが、業務コンサルタントとITコンサルタントはその代表格です。両者の違いを明確に理解することで、ご自身に合ったキャリア選択やスキルアップの方向性が明確になるでしょう。

専門領域・取り扱うテーマの違い

業務コンサルタントは、企業の業務プロセス全体を対象に、業務の効率化や最適化を目指します。BPRやBPMなどのフレームワークを活用し、調達・製造・販売・人事・財務など多岐にわたる業務を横断的に改善します。 一方、ITコンサルタントはIT技術を軸に業務課題を解決します。IT戦略立案、システム導入、クラウド化、データ分析、セキュリティ対策など、テクノロジーを活用した経営改革が主なテーマです。近年は業務改善の一環としてITコンサルタントが業務プロセス改革にも関わることが増え、両者の領域が重なるケースも多くなっています。

仕事内容の違い

業務コンサルタントは、現状分析から課題抽出、改善策の立案、業務フロー設計、施策の実行支援、効果測定までを一貫して担当します。業務ヒアリングや現場観察、データ分析、関係者との調整、業務マニュアル作成なども含まれます。 ITコンサルタントは、ITを活用した業務改革を進めるため、IT戦略の策定、システム要件定義、ベンダー選定、システム導入プロジェクトの管理、運用設計、ITインフラ整備、セキュリティ対策など多岐にわたります。ITプロジェクトの推進役として、経営層から現場部門まで幅広い関係者と連携します。

必要なスキルの違い

業務コンサルタントには、論理的思考力、コミュニケーション力、業務プロセスの理解、課題解決力、プロジェクトマネジメント力が求められます。業界知識や現場感覚も重要です。 ITコンサルタントには、IT技術全般の知識(システム開発、インフラ、セキュリティ等)、論理的思考力、経営的視点、プロジェクト推進力、プレゼンテーション力、調整力が必要です。技術だけでなく、ビジネス理解やコミュニケーション能力も不可欠です。

年収の違い

業務コンサルタントの平均年収は約500万円ですが、経験やスキル、所属企業によっては1,000万円以上も狙えます。IT分野に強い業務コンサルタントはさらに高収入の可能性があります[4]。 ITコンサルタントは年収レンジが広く、若手で500~700万円、経験を積むと1,000万円以上、マネージャークラスで1,500万円超も珍しくありません。専門性やプロジェクト規模によって大きく変動します[2][4][10]。

就職先の違い

業務コンサルタントは、コンサルティングファーム、シンクタンク、監査法人、事業会社の経営企画部門や業務改革部門などが主な就職先です。多様な業界の企業がクライアントとなります。 ITコンサルタントは、ITコンサルティングファーム、SIer(システムインテグレーター)、ITベンダー、事業会社の情報システム部門、IT専門の独立系コンサルティング会社などが主な就職先です。IT関連のプロジェクトが中心となります。

キャリアアップの違い

業務コンサルタントは、業務改革のプロフェッショナルとしてキャリアを積み、シニアコンサルタントやマネージャー、パートナー、経営企画責任者などに進む道があります。業界横断的な知見を活かし、事業会社の経営層や独立起業も選択肢となります。 ITコンサルタントは、アナリスト、コンサルタント、マネージャー、ディレクター、パートナーと段階的に昇進します。IT戦略やDX領域で活躍し、IT部門の責任者やCIO、フリーランスとして独立も可能です。

取得すると有利な資格の違い

業務コンサルタントには、中小企業診断士、ビジネス実務法務検定、プロジェクトマネージャー(PMP)などが有利です。業界ごとの専門資格も評価されます。 ITコンサルタントには、ITストラテジスト、ITコーディネータ、プロジェクトマネージャー(PMP)、情報処理技術者試験、SAP認定資格などが推奨されます。ITと経営の両面をカバーする資格が強みとなります。

向いている人の特徴の違い

業務コンサルタントは、現場の課題解決や業務改善に興味があり、人との調整や多様な業界に関わることが好きな人に向いています。論理的思考や柔軟な発想、粘り強さも重要です。 ITコンサルタントは、IT技術やデジタル分野に関心があり、システムやデータを使った問題解決にやりがいを感じる人に適しています。新しい技術への好奇心や、変化を楽しめる人が活躍しやすいです。

将来性の違い

業務コンサルタントは、業務効率化や生産性向上のニーズが高まるなかで、今後も安定した需要が見込まれます。特にDX推進やグローバル化の流れで、業務改善の専門家としての役割は拡大しています。 ITコンサルタントは、デジタル化・IT化が加速する社会でますます需要が高まっています。AI、IoT、クラウド、セキュリティといった新技術への対応力が求められ、将来性は非常に高い分野です。

両者と戦略コンサルタントとの違い

戦略コンサルタントは、企業の経営戦略や事業戦略の立案・実行支援を担います。全社的な方向性や新規事業、M&Aなどのテーマが中心です。業務コンサルタントは戦略を現場で実現するための業務プロセス改革を、ITコンサルタントはその実現手段としてITを活用します。三者は連携しつつも、アプローチや専門性が異なります。

業務コンサルタント・ITコンサルタントがつまらないと言われる理由

コンサルタントは華やかなイメージがある一方、「つまらない」と感じる声も少なくありません。その理由を具体的に解説します。

好きなことが仕事にならない場合があるから

コンサルタントはクライアントの課題解決が主な役割です。そのため、自分がやりたいことや得意分野に関わる案件だけを担当できるとは限りません。 クライアントの意向や現場の状況に合わせて業務を進めるため、思い描いていたクリエイティブな仕事や裁量ある働き方にギャップを感じる場合があります。提案が通らなかったり、クライアントの判断で案が却下されることも多く、「自分の好きなことが仕事にならない」と感じる人もいます。

修業期間・下積み期間が長いから

コンサルタントは、入社後しばらくは資料作成やデータ整理、会議準備など地道な作業が中心となります。若手のうちは、先輩や上司のサポート業務やルーティンワークが多く、直接クライアントに提案する機会は限られます。自分が主体的に動けるまでに時間がかかるため、「やりたい仕事ができない」「成長実感が持てない」と感じやすいです。

チームに貢献しても評価されないことがあるから

コンサルタントの仕事はチームで進めるため、個人の貢献が見えにくい場合があります。プロジェクトの成果がチーム全体の評価となり、個人の頑張りが直接報われないこともあるでしょう。 特に若手や下積み期間は、評価が曖昧になりやすく、モチベーションの維持が難しいと感じる人もいます。結果として「頑張っても評価されない」「やりがいを感じにくい」と思う理由につながっています。

業務コンサルタント・ITコンサルタントの仕事のやりがい

コンサルタントのやりがいは、クライアントの課題を解決し、目に見える成果を生み出せる点です。また、多様な業界やプロジェクトに携わることで、新たな経験や幅広い知識を獲得することができます。 自分の提案が企業の成長や業績向上に直結し、クライアントから感謝の言葉をもらえる瞬間は大きなモチベーションとなるでしょう。さらに、難易度の高い課題に挑戦し、ビジネススキルや専門性を高められる点も魅力です。

業務コンサルタント・ITコンサルタントになるには

業務コンサルタントやITコンサルタントを目指す場合、まずは現職で培ったスキルや経験を活かし、論理的思考力やコミュニケーション力を磨くことがポイントです。 業務コンサルタントの場合、現場での業務改善やプロジェクトマネジメント経験が評価されます。研修やセミナーを積極的に活用し、基礎知識を身につけましょう。 ITコンサルタントを目指すなら、ITエンジニアやシステム開発経験を積むのが一般的です。IT分野の幅広い知識や技術力、プロジェクト推進力が求められるため、独学やスクール、資格取得を通じてスキルアップを図りましょう。 また、転職エージェントやマッチングサービスを活用し、未経験歓迎の求人や研修制度が充実した企業を選ぶのも有効です。自分の強みや志向を明確にし、中長期的なキャリアプランを立てて挑戦する姿勢が大切です。

コンサルタントで活躍したいならExpertyがおすすめ

コンサルタントとしてキャリアを築きたい方は、Expertyの活用をおすすめします。Expertyは大手上場企業と直接契約し、高単価案件を多数保有しています。登録時から案件参画後まで手厚いサポートが受けられ、未経験者でも安心して挑戦できます。 フリーランスや副業として柔軟な働き方を実現したい方にも最適です。継続的な案件紹介や給与保証制度も導入されているため、安定したキャリア形成が可能です。自分のスキルや希望に合った案件で、コンサルタントとしての道を進んでみてはどうでしょうか。

まとめ

業務コンサルタントとITコンサルタントは、いずれも企業の課題解決を担う重要な職種ですが、専門領域や業務内容、求められるスキルに明確な違いがあります。どちらも高い専門性とやりがいを持ち、今後も需要が拡大していく分野です。 自分の強みや興味に合わせてキャリアを選択し、着実にスキルを磨くことで、より大きな成長と活躍が期待できるでしょう。コンサルタントとして新たな一歩を踏み出したい方は、Expertyなどのサービスも活用しつつチャレンジしてみてください。

記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。