新規事業コンサルタントとは?仕事内容、キャリア、年収まで徹底解説

新規事業の立ち上げは、多くの企業にとって重要な成長戦略である一方、高い失敗率に悩まされる分野でもあります。

そのため、専門的な知識と豊富な経験を持つ新規事業コンサルタントは、企業の事業創出を成功に導く重要な存在として注目を集めています。

本記事では、新規事業コンサルタントの役割から年収まで、キャリアを検討するうえで必要な情報を解説します。

新規事業コンサルタントとは?

新規事業コンサルタントは、企業の新規事業創出に特化した専門家です。

市場動向の調査や事業計画の作成、事業基盤の整備を支援し、クライアント企業の事業創出を外部の伴走者として支援します。

新規事業開発の難しさ

新規事業が失敗する原因は多岐にわたり、「想定よりもニーズの規模が小さかった」「競合企業が強かった」「ビジネスモデルに穴があった」などが挙げられます。

他にも「当事者意識や本気度の不足」「関係者が多すぎる」「チームに権限を与えない」「専門分野に詳しい人材がいない」といった組織的な問題も失敗要因です。

特に中小企業では、新規事業開発の知見があるメンバーがいない点や資金不足、モチベーションを維持できないといった課題が顕著に現れます。

新規事業コンサルティングの役割

新規事業コンサルティングは、企業が事業を成功させるための総合的なサポートを行います。

経営目標や市場環境を分析し、最適な戦略を立案したうえで、事業計画の策定、資金調達、マーケティング戦略の構築をサポートします。

実行段階では業務フローの整備や人材配置の最適化を行い、状況に応じた軌道修正を重ねながら、企業が計画的かつ効率的に事業を推進できるよう導きます。

新規事業コンサルティングの仕事内容と進め方

新規事業コンサルティングの仕事は、企画から実行まで幅広い領域をカバーします。

クライアント企業の課題や目標に応じて、カスタマイズされたサポートを提供するのが特徴です。

主なサポート内容

新規事業コンサルタントは、事業立ち上げに必要な支援を幅広く提供します。

 

◯市場調査・競合分析

市場調査を徹底し、顧客のニーズを正確に把握します

競合他社の動向を分析し、自社がどのように差別化できるかを考え、競合の強みや弱みを把握して自社の強みを活かせる戦略を立てます。

 

◯事業戦略・ビジネスモデル構築

市場や競合調査を実施し、ターゲット層を明確にしながら差別化戦略を構築します。

事業の目的や方向性を定め、具体的な収益を上げる方法やそのための手段を策定します

 

◯資金調達・事業計画作成支援

クラウドファンディングやベンチャーキャピタル、政府の助成金など、多様な資金調達手段を検討します

事業計画を明確にし、投資家に対してリスクとリターンをしっかりと説明できるよう支援するのも新規事業コンサルの仕事です。

 

◯実行支援・マネジメント代行

事業に参画する人材や資金の調整など、実行に必要な要素を整備します

PDCAサイクルで改善を繰り返しながら軌道に乗せ、コンサルタントが離れてからも運用ができるよう人材を育成します。

コンサルティングプロジェクトの一般的な流れ

新規事業開発では、大きく分けて3段階のプロセスで進めていきます。

 

◯企画・検証フェーズ

新規事業のテーマ設定から始まり、これからどのような事業を行っていくのかという方向性を定めます

クライアント企業側が提示してくる計画を確認するとともに、企業分析を行いコンサルタント側から提案も行います。

 

◯グロースフェーズ

新規事業計画書を作成し、それに基づいて新規事業の立ち上げが始まります。

計画書通りに進まない場合も多いため、PDCAサイクルで改善を繰り返しながら軌道に乗せていきます

新規事業コンサルタントのキャリア

新規事業コンサルタントは、多様な業界や事業に関わる機会が豊富で、幅広いスキルを身につけられる魅力的なキャリアです。

事業開発の経験を積むことで、将来的には事業責任者や経営者へのキャリアアップも期待できます。

コンサルタントとして働くメリット

新規事業コンサルタントとして働くメリットは多岐にわたります。

専門的なノウハウや知見を得られ、客観的な意見や視点を取り入れられる環境で成長できるでしょう。

 

◯幅広い知識と経験の習得

コンサルタントは参入する分野の既存他社の成功事例・失敗事例を把握しており、データに基づく的確な提案スキルを身につけられます

未知の分野でも効率的に展開していく能力を養うことが可能です。

 

◯多様な業界・事業に関わる機会

新規事業コンサルタントは、様々な業界のクライアントと関わる機会があります

異なる業界の知識や経験を蓄積でき、幅広い視野を持った専門家としての成長が可能です。

 

◯問題解決能力の向上

新規事業の立ち上げは、上層部からの理解が得られない、経営層のコミットメントが低いなどの理由で協力を得られず、悩むことが多くあります。

こうした状況でも、調整力や交渉力を活かし、周囲を巻き込んでいく能力が身につくでしょう

新規事業コンサルタントへの転職

新規事業コンサルタントへの転職には、特定のスキルや経験が求められます。

実際の事業立ち上げ経験があると、クライアントに寄り添える新規事業コンサルタントとして信頼を得やすくなります。

 

◯求められるスキルや経験

新規事業コンサルタントには、コミュニケーション能力、精神的・体力的な強さ、論理的思考力、データ収集・分析能力が必要です。

事業の立ち上げに携わる経験をしておくと、新規事業コンサルタントとして採用されやすくなります。

MBAや公認会計士などの資格取得も、新規事業コンサルタントとして活躍するために役立ちます。

新規事業コンサルタントになる方法

新規事業コンサルタントを目指す方法は複数あります。

自身の現在の状況や将来の目標に応じて、最適なルートを選択することが重要です。

事業会社の企画部門を目指す

事業企画は、企業の生命線である「事業」に直接関わる重要な部門です。

経営陣の方針を深く理解し、それを現場レベルに落とし込みながら事業を推進する役割があります。

市場調査や競合分析、事業の予算組み、目標設定、施策の具体的提案、実行計画の立案などを担当し、新規事業立ち上げの実践的な経験を積めます

中小企業診断士などの資格取得を目指す

中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサルタントに関する国家資格です。

スタートアップや新規事業の立ち上げが活発になるなか、経営資源が限られる中小企業や起業家にとって、専門家のサポートは不可欠となっています。

経営戦略の立案や資金繰りの助言、マーケティング支援など、幅広い知識を持つため、新興企業に対して中長期的な支援が可能です。

ポテンシャル採用のあるコンサルファームを探す

コンサルファームのポテンシャル採用は、前職の業界・業種不問で、社会人経験と学歴のみで書類を通過するパターンがあります

第二新卒枠や戦略コンサルタントがこれに該当し、これまでとは異なる領域へのキャリアチェンジを強く希望する際には有効な手立てとなります。

ビジネススクールで学ぶ

MBAなどのビジネススクールで経営戦略や事業開発に関する体系的な知識を学ぶと、新規事業コンサルタントに必要な理論的基盤を構築できます

ケーススタディを通じて実践的な問題解決能力を養い、同期や教授とのネットワークも構築できるため、将来のキャリア形成に役立つでしょう。

副業でスキルを習得する

副業として新規事業コンサルティングを行うと、実践的なスキルを身につけられます。

スポットコンサルからスタートし、1〜2時間の単発業務に集中してクライアントの具体的な課題を解決することで実績を積み上げます

これまでの職務経験や趣味を活かしたコンサルティングが成功の近道となり、初期段階で得た成果をポートフォリオにまとめることで、次の案件獲得が容易になるでしょう。

新規事業コンサルタントの年収

新規事業コンサルタントの年収は、役職や経験、所属する企業の規模によって大きく異なります。

役職別の年収目安

コンサルタントの年収は役職によって分かれており、経験年数と責任の範囲に応じて段階的に上昇する構造となっています。

役職 年齢 経験年数 年収目安
アナリスト 22~28歳 0~3年 500万~800万円
コンサルタント 25~35歳 0~6年 700万~1,300万円
マネージャー 28~40歳 2~10年 900万~2,000万円
プリンシパル 32~45歳 5~15年 1,300万~2,500万円
パートナー 35歳以上 7年以上 2,500万円以上

特にディレクターやパートナーといった上位職位では、新規案件の獲得や営業活動、クライアントとの信頼関係構築を担い、年収2,000万円を超える高い報酬が期待できます。

年収に影響を与える要因

コンサルタントが高い年収を得られる背景には、価値提供の難易度の高さとそれに伴う責任の重さが影響しています。

クライアント企業が抱える経営課題や組織改革の問題は一筋縄ではいかないものばかりで、解決策の提案や実行支援には高い仕事の質が求められます。

成果主義とインセンティブの仕組みにより、プロジェクトの成果や個人の貢献度が給与に大きく反映されるのが特徴です。

経験や役職、専門性、所属会社の規模など

コンサルティングファームでは年齢・性別に関係なく評価され、年功序列のような評価基準はなく実力により役職・給与が決定されます。

中途採用のメインターゲットである20代後半〜30代前半でコンサルタントとして転職する場合、年収は700万円〜1300万円位が見込まれます

コンサル案件の獲得ならExpertyがおすすめ

新規事業コンサルタントとして独立やフリーランスを検討している方には、Expertyの活用をおすすめします。

Expertyは新規事業開発案件が豊富で、大手上場企業120社以上と直接契約しているため高単価案件を多数保有しています

具体的には月額100万円を超える案件が半数以上を占め、200万円を超える案件も取り扱っています。

利用者の約90%が継続的に案件を獲得しており、業界初となる給与保証制度も導入されているため、安心してプロジェクトに取り組むことができます。

専任のコンサルタントが登録者のスキルや希望条件を詳細にヒアリングし、最適な案件を提案するため、適切な案件に迅速に参画することが可能です。

まとめ

新規事業コンサルタントは、企業の成長戦略を支える重要な役割を担う専門職です。

市場調査から事業計画作成、実行支援まで幅広い業務を通じて、クライアントの事業創出を成功に導きます。

キャリア形成には複数のルートがあり、事業会社での経験、資格取得、コンサルファームへの転職、副業からのスタートなど、自身の状況に応じて選択できます。

年収は役職や経験によって大きく異なりますが、高い専門性と責任に見合った報酬が期待できる分野です。

独立を目指す方は、Expertyのような専門プラットフォームを活用することで、継続的な案件獲得と安定した収入の確保が可能になります。

記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。