PMOに必要なスキル12選|身につける順番と未経験からの始め方

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「PMOに求められるスキルセットとは?」「PMOになるためにどのような資格を取得すべき?」と疑問をお持ちの方はいませんか。

プロジェクトマネジメントの管理を担うPMOは、さまざまなスキルが求められる仕事です。

PMOに必要なスキルは、技術的なハードスキル6つと、対人・マネジメント面のソフトスキル6つの計12に整理できます。すべてを最初から備えている必要はなく、身につける順番があります。

今回の記事では、PMOに必要な12のスキルの一覧、それぞれの中身、未経験から身につける4ステップ、そして役立つ資格について解説します。

PMOに必要なスキル12選【一覧表】

PMOに求められるスキルは、大きくハードスキル(技術的スキル)とソフトスキル(対人・マネジメントスキル)の2種類に分かれます。

区分 スキル 主に使う場面
ハード① ITシステムの基礎知識 エンジニアとの課題共有、実現性の判断
ハード② ドキュメント作成スキル 報告書・議事録・会議資料の作成
ハード③ プロジェクト管理手法 (WBS・課題管理・進捗管理) 計画立案、進捗の可視化
ハード④ データ集計・可視化 (Excel/BIツール) 進捗レポート、経営層への報告
ハード⑤ 経営・業務に関する知識 経営層との対話、事業戦略の理解
ハード⑥ 情報セキュリティの知識 金融・公共など規制の強い案件
ソフト⑦ コミュニケーションスキル 関係者との日常的な連携全般
ソフト⑧ ファシリテーション能力 会議運営、意見の対立の収束
ソフト⑨ リスクマネジメント能力 遅延・トラブルの予兆察知と予防
ソフト⑩ タイムマネジメント能力 納期からの逆算、タスクの再配分
ソフト⑪ 傾聴力 課題のヒアリング、信頼関係の構築
ソフト⑫ フットワーク力 トラブル発生時の初動対応

このうち、未経験からPMOを目指す場合にまず優先したいのは②ドキュメント作成、③プロジェクト管理手法、⑦コミュニケーションの3つです。

この3つはアドミニストレーター(事務・運用支援)として参画する際の必須要件にあたり、ここを押さえれば実務に入れます。

①ITシステムの基礎知識と⑤経営・業務知識は、参画後に担当領域が広がるにつれて必要性が高まる領域です。

⑥情報セキュリティは、金融・公共・医療など規制の強い業界の案件で希少性につながります。

【基礎知識】PMOとは

PMOとは、「Project Management Office(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」の略語です。

プロジェクトマネジメントを行う部門や構造システムを意味します。

日本語では「プロジェクトオフィス」や「プロジェクト支援部門」、「プログラムマネジメントオフィス」などと訳されることが多いです。

コンサルティング業界では、PMO関連の業務を担当するコンサルタント人材のことを「PMO」と呼ぶことがあります。

PMOの基礎知識に関しては、以下の記事を参考にしてください。

PMOの年収

さまざまなスキルが求められるPMOの年収は高水準です。

フリーランスの場合は「720万〜1,200万円程度」、会社員の場合は「600万〜700万円程度」が平均とされています。

全国の平均年収が「478万円」であることを踏まえると、PMOの平均年収は高い傾向にあることがわかるでしょう。

フリーランスの平均年収は個人の実績やスキルによって左右されますが、高単価案件を獲得できれば1,000万円以上の年収も十分目指すことが可能です。

参照:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

PMOに必要なスキルセット【ハードスキル(技術的スキル)編】

ハードスキルとは、特定の訓練や学習によって得られる技術的なスキルのことです。

以下で、PMOに求められるハードスキルを紹介します。

ITシステムの基礎知識(プログラミングを含む)

プログラミング言語を使って実務を行うのはSEですが、PMOにもプログラミングに関する基礎知識が求められるケースがあります。

プログラミングに関する知識がないと、エンジニアが抱える問題を適切に把握できずに対応できないためです。

さらに、プロジェクトの進捗を理解したり、専門用語を噛み砕いて経営層に説明したりするためには、プログラミングの知識があった方が良いでしょう。

求められる水準は「自分で開発できること」ではなく、システム構成・開発工程・使われている技術の位置づけを理解し、エンジニアと同じ土俵で会話できることです。

ドキュメントスキル

ドキュメントスキル(ドキュメンテーションスキル)とは、提案書・報告書・会議資料などの文書をわかりやすく効率的に作成する能力のことです。

PMOはプロジェクトの進捗状況や結果報告を文書化することがあります。

ドキュメントはプレゼンで使用したり、他の部門に共有したりすることもあるため、誰が見てもわかりやすいドキュメントを目指す必要があります。

Microsoftのオフィスツール「Word (ワード)」や「Excel(エクセル)」、「PowerPoint(パワーポイント)」の基本的な操作方法は最低限おさえておきましょう。

プロジェクト管理手法(WBS・課題管理・進捗管理)

PMOの実務の土台になるのが、プロジェクト管理の標準的な手法です。

具体的には、作業をWBS(Work Breakdown Structure)で分解して工数を見積もる、課題管理表で論点と期限と担当を管理する、進捗をベースラインと比較して遅延を検知する、といった手順を型として使えることが求められます。

これらは属人的な工夫ではなく、PMBOKなどで体系化された共通言語です。

型を身につけておくと、初めて参画するプロジェクトでも短期間で立ち上がることができます。

データ集計・可視化スキル(Excel/BIツール)

PMOは、複数チームから上がってくる進捗・工数・課題の数字を集約し、意思決定に使える形に整える役割を担います。

Excelの関数やピボットテーブルに加え、案件によってはBIツールでダッシュボードを作成する場面もあります。

重要なのは集計そのものより、「経営層が5秒で状況を判断できる粒度まで落とす」という編集の視点です。

経営に関する知識

PMOはクライアントの課題解決をサポートするコンサルタントです。

そのため、PMOには経営に関する知識が求められます。

例えば、企業の経営課題を客観的に捉えたり、課題解決に最適な事業戦略を立案したりする際に、経営に関する知識が必要です。

また、経営層とコミュニケーションを取る機会もあり、彼らと同じ視点で話せるスキルが求められるため、経営に関する専門知識を身につけておく必要があるのです。

情報セキュリティに関する知識

情報セキュリティに関する知識があると、需要の高いPMOを目指せるでしょう。

情報セキュリティ業界において、PMOに対する需要は増加傾向にあります。

そのため、情報セキュリティに関するスキルをはじめ、セキュリティエンジニアの経験などがあるとPMOとしての希少性が高まります。

特に業務アプリケーション開発などに携わった経験がある方は、ERP領域のPMO案件で活躍できるでしょう。

PMOに必要なスキルセット【ソフトスキル(対人スキル・マネジメントスキル)編】

ソフトスキルとは、個人の特性や仕事の進め方に関係するスキルのことです。

PMOには、ハードスキルのほか、ソフトスキルも求められます。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、コンサルタント職全般に求められるスキルですが、特にPMOに求められます。

PMOは、PM(プロジェクトマネージャー)をはじめ、プロジェクトメンバーやクライアント企業(経営層を含む)とのコミュニケーションを頻繁に行います。

綿密なコミュニケーションをとりながら、交渉や進捗報告を行います。

PMOは外部の人材ですが、コミュニケーションの中心となってプロジェクトを推進していくことが求められるのです。

ファシリテーション能力

ファシリテーション能力とは、会議の目的を設定し、議論を整理し、結論と次のアクションまで導く力のことです。

PMOが関わる会議は、立場も利害も異なる関係者が集まる場です。

意見が対立したときに、どちらかの肩を持つのではなく、判断基準そのものを合意させて前に進めるのがPMOの役割になります。

具体的には、事前にアジェンダと論点を配布する、議論が発散したら目的に立ち返る、決まったことと持ち帰ることをその場で区別する、といった進め方が有効です。

リスクマネジメント能力

プロジェクトにはリスクが付き物です。

例えば、運用上のトラブルが生じたり、スケジュールが遅れたりなど、さまざまなリスクを考慮する必要があります。

そのため、リスクマネジメント能力はプロジェクトマネジメントの責任を担うPMOに欠かせないスキルなのです。

どのようなリスクが起こり得るかを想定して、未然に防げるように対策を講じます。

タイムマネジメント能力

PMOになるためには、タイムマネジメント能力を身につけることをおすすめします。

プロジェクトには納期が定められています。

納期までにタスクが完了するように、チームメンバーの進捗やタスクを確認しながら、スケジュールを把握しなくてはいけません。

例えば、進捗が遅れているメンバーがいたら、タスクを振り直すなどして、柔軟に対応することが求められます。

フットワーク力

フットワーク力とは、迅速に行動に移せる力のことです。

先述した通り、プロジェクトには納期が設けられています。

納期に間に合わせるように、トラブルが生じた際は迅速に対応する必要があり、フットワーク力が求められるのです。

傾聴力

傾聴力とは、相手の話に耳を傾けて、意図を汲み取ろうとするスキルのことです。

PMOはプロジェクトメンバーやクライアントとコミュニケーションをする機会が多くあります。

傾聴力がないと円滑なコミュニケーションを取れずに、プロジェクトに影響を与えてしまいます。

指示をただ出せばいいだけでなく、どのような課題を抱えているか、どのようなニーズがあるかを把握した上で、最善策を話し合おうとする姿勢が重要なのです。

未経験からPMOになるには?スキルを身につける4ステップ

PMOは未経験から目指せる職種ですが、身につける順番があります。

  • STEP1|ドキュメント作成とプロジェクト管理の型を覚える(WBS・課題管理表・進捗報告)
  • STEP2|アドミニストレーターとしてPMO業務に参画し、実務経験を積む
  • STEP3|担当領域を広げ、課題分析・改善提案まで担う(エキスパート)
  • STEP4|資格で客観的な裏付けを加え、より大規模な案件やフリーランスへ広げる

STEP1で身につけたいのは、特別なスキルではなく共通言語です。

作業をWBSで分解する、課題を「論点・担当・期限」の3点で管理する、進捗を計画と比較して報告する。

この3つができれば、STEP2の入口には立てます。

STEP2では、まず議事録・進捗管理・会議調整といった事務・運用支援の役割で参画するのが一般的です。

ここで重要なのは、作業をこなすだけで終わらせず、遅延がなぜ起きたのかを記録に残しておくことです。

その蓄積が、STEP3で改善提案を行う際の材料になります。

STEP3以降は、自分の得意領域を決める段階です。

ERP導入、セキュリティ、金融系の大規模開発など、業界や領域を絞ることで単価が上がりやすくなります。

なお、未経験からいきなりフリーランスPMOとして独立するのは現実的ではありません。

STEP2〜3で実務経験を積んでから独立するほうが、単価と案件量の両面で有利です。

PMOに役立つ資格

PMOになるために必須の資格はありませんが、客観的なスキル証明として評価され、より大規模な案件を任される材料になります。

代表的なものとしては、日本PMO協会の「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A)」と「PMOスペシャリスト認定資格」があります。

いずれもeラーニングとオンライン試験で完結するため、働きながら取得しやすい資格です。

より難易度の高いものとしては、国際的に認知度の高いPMP(Project Management Professional)や、国家資格であるプロジェクトマネージャ試験が挙げられます。

どの資格をどの順番で取るべきか、難易度や取得ステップは以下の記事で詳しく解説しています。

参照:一般社団法人日本PMO協会「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A™)」

参照:一般社団法人日本PMO協会「PMOスペシャリスト™認定資格シリーズ」

PMOに関するよくある質問

ここでは、PMOに関するよくある質問を紹介します。

PMOはキャリアにならない?

PMOがキャリアになるかどうかは、どのような業務を行うか、どのようなプロジェクトに携わるかによって左右されるでしょう。

例えば、事務局PMOは受け身で仕事をすることが多いので、PMOからのキャリアアップを目指している方には向いていないでしょう。

自分自身が築きたいキャリアを見直し、PMOの経験がどのように役立つかをイメージすることが大切です。

PMOのキャリアパスは?

PMOとしての経験があれば、様々なキャリアを築くことができます。

一例として以下が挙げられるでしょう。

  • ITコンサルタントなどのコンサルタント職
  • 社内PMO
  • フリーランスPMO
  • 起業

中でも、フリーランスPMOの働き方は近年注目を集めています。

フリーランスのコンサルタントに関しては、以下の記事をチェックしてみてください。

PMOに向いている人の特徴は?

PMOに向いている人の特徴として、以下が挙げられるでしょう。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 好奇心が強い(さまざまなプロジェクトに携わるため)
  • サポート力がある
  • マネジメント能力が高い

特にPMOはさまざまな人とのコミュニケーションが求められる仕事です。

そのため、コミュニケーションが得意な人はPMOに向いているでしょう。

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PMOに関する具体的な案件例は、下記の通りです。

  • 大手企業の開発プロジェクトPMOリーダー
  • 大手金融機関のセキュリティシステム運用PMO支援
  • 大手医療サービス会社向けPMO支援
  • 大手SIer_官公庁LAN端末更改支援

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まとめ

今回の記事では、PMOを目指している方に向けて、PMOに求められるスキルセットを解説しました。

ハードスキル6つとソフトスキル6つのすべてを最初から備えている必要はありません。

まずはドキュメント作成・プロジェクト管理の型・コミュニケーションの3つを固め、アドミニストレーターとして実務に入るところから始めてください。

実務経験を積むほど、担える範囲と単価は上がっていきます。

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記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。