生成AI案件の単価相場と種類|RAGやAIエージェント開発の実例

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「生成AIを試してみた」段階を越え、業務に組み込む段階に入った企業が増えています。

それに伴い、RAGの構築やAIエージェントの開発、現場への定着支援を外部の専門人材に任せる生成AI案件が目立つようになりました。

本記事では、コロニーが運営するExpertyで募集中の生成AI案件35件を集計し、単価や稼働条件、案件の種類、獲得までの進め方を解説します。

生成AI案件はどれくらいある?単価相場と2026年の需要

生成AI案件は、IT系のフリーランス案件の中でも単価が高い領域です。

まずはExpertyの公開案件を集計した結果から、相場の実態を確認しましょう。

生成AI案件の単価は月110万〜138万円が中心

2026年10月6日時点でExpertyが公開している189件のうち、生成AIに関わる案件は35件ありました。

この35件の報酬レンジは月62万〜190万円で、下限の中央値は110万円、上限の中央値は138万円です。

公開案件全体の上限の中央値は129万円なので、生成AI案件はおよそ1割高い水準にあります。

上限が150万円以上の案件も13件あり、全体の約4割を占めました。

生成AI案件の単価は役割によって変わる

35件を役割ごとに分けると、活用推進や企画・提案を担うコンサル型が15件で上限の中央値は150万円、エンジニア・FDE型が13件で129万円、PM・PMOが4件で138万円、AIガバナンス・品質保証が3件で144万円でした。

「どの業務に生成AIを使えば効果が出るか」を決める役割ほど代替が難しく、高い報酬が提示される傾向があります。

稼働条件では、最低稼働率50%以下から相談できる案件が12件あり、週2〜3日でも上流の生成AI案件に関われる余地があります。

※Expertyの公開案件をコロニー編集部が案件名から分類・集計(2026年10月6日時点)。

生成AI案件が増えている背景

IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」では、日本企業の8割超がDXを推進する人材の「量」が不足していると回答しています。

Expertyの公開案件でも、案件ごとに付いている経験タグを数えると「生成AI」は28件あり、「IT」「その他」に次いで3番目に多いタグでした。

生成AI案件35件のタイトルを見ると、「推進」を含むものが12件、「開発」を含むものが9件あり、PoCを掲げる3件を大きく上回っています。

試しに使ってみる段階から、業務やサービスに組み込む段階へ需要が移っていることがうかがえます。

社内だけでは進めきれない生成AIの活用を、外部の専門人材とプロジェクト単位で進める流れが、案件の増加につながっています。

参考:独立行政法人情報処理推進機構|「DX動向2025」を公開(プレス発表)

生成AI案件の実態と具体的案件例

生成AI案件では、技術を試すだけでなく、現場で使われる状態まで持っていくことが求められます。

Expertyで募集中の案件から、性格の異なる2件を紹介します。

消費財メーカーで要件整理から実装までを一人で担うAI-FDE

大手消費財メーカーで、現場の要件をヒアリングし、簡易的に動くAI・ツールとして実装するまでを一人で通しで担う案件です。

報酬は月76万〜120万円、週2日程度の出社を目安とする一部リモートで、稼働率100%の準委任契約です。

小さく始めて見極めるフェーズの案件で、技術的な実現性と業務への影響範囲の両方を踏まえて意思決定した経験が必須とされています。

FDE(Forward Deployed Engineer)とは、業務の現場に入り込み、課題を聞き取りながら小さく作って改善を重ねるエンジニアのことで、必要に応じて内製化に向けた引き継ぎ資料の整備まで担います。

参考:Experty|大手消費財メーカー AI-FDE(要件整理〜簡易実装まで一人称対応)

現場の暗黙知を生成AIの要件に翻訳する業務要件定義の案件

同じく大手消費財メーカーで、現場へのヒアリングを通じて生成AIを活用する対象業務を特定し、要件・仕様として整理する案件です。

報酬は月62万〜110万円、週2日程度の出社を目安とする一部リモートで、稼働率100%の準委任契約です。

現場の判断基準や業務フローといった暗黙知を、開発担当者が着手できる形に言語化し、現場・IT・経営層の間で論点を整理して合意をまとめる役割が求められています。

業務コンサルタントとして上流の企画から要件定義までを担った経験が必須で、プログラミングをしなくても生成AI案件に参画できる代表的な例です。

参考:Experty|大手消費財メーカー AI活用推進に向けた業務要件定義支援

同じ生成AI案件でも、自ら手を動かして作る役割と、要件をまとめて開発につなぐ役割では、求められる経験も単価も異なります。

募集中の生成AI案件は、Expertyの案件一覧で確認できます。

Experty|フリーランス案件一覧を見る

生成AI案件の種類は?エンジニア・コンサル・PMOで異なる仕事内容

生成AI案件は、開発だけでなく、企画・推進・統制まで役割の幅が広いのが特徴です。

主な種類と、向いている経験を整理しました。

案件の種類 主な仕事内容 向いている経験
RAG構築 社内文書を検索させて回答する仕組みの設計・実装・精度改善 検索システムやWebアプリの開発
AIエージェント開発 複数の業務手順を自動で実行する仕組みの設計と既存システムとの連携 バックエンド開発、業務システムの設計
活用推進・業務設計 活用テーマの選定、効果の試算、業務フローの再設計 ITコンサル、業務改革(BPR)
PM・PMO 検証から本番化までの計画・進捗管理、関係ベンダーの取りまとめ システム開発のPM・PMO
ガバナンス・品質保証 利用ルールやガードレールの設計、出力品質とリスクの評価 セキュリティ、品質保証、内部統制

生成AIエンジニアの案件はRAGとAIエージェント開発が中心

生成AIエンジニアの案件では、RAGの構築とAIエージェントの開発が二本柱です。

RAGでは文書の分割方法や検索精度、回答の根拠を示す仕組みが、AIエージェントでは既存の業務システムとAPIで安全に連携させる設計力が問われます。

Expertyでも、AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」を使ったRAGによる業務改革の案件などが公開されています。

参考:AWS|Amazon Bedrock

プログラミング以外の経験を活かせる生成AI案件

35件のうち15件は、活用推進や企画・提案を担うコンサル型の案件でした。

業務改革や事業企画、システム開発のPMの経験があれば、エンジニアと組んで生成AIの活用を前に進める役割で参画できます。

コンサルタントとして生成AIに関わるキャリアは、次の記事でも解説しています。

生成AI案件を獲得するまでの4ステップ

生成AIは新しい領域のため、経験の見せ方ひとつで評価が大きく変わります。

次の4ステップで準備を進めてください。

ステップ1:生成AIに関わった経験を規模を問わず書き出す

社内のPoCや業務改善で生成AIに関わった経験を、規模の大小にかかわらず書き出します。

「社内FAQのRAGを試作した」「議事録要約の運用ルールを作った」といった経験も立派な実績です。

生成AIの経験が浅い場合は、要件定義や業務改革、データ整備など周辺の経験も含めて洗い出しましょう。

ステップ2:狙う役割と単価帯を決める

開発経験が中心ならエンジニア・FDE型、業務改革や提案の経験が中心ならコンサル型が候補になります。

役割が決まれば、前述の役割別の単価を目安に、自分の希望額が妥当かどうかを判断できます。

ステップ3:成果を数字で示す資料をそろえる

生成AI案件の面談では、「何を作ったか」より「何がどれだけ良くなったか」を聞かれます。

問い合わせ対応時間の削減率や回答の正答率、利用者数など、成果を数字で示せる資料を用意してください。

社内事例を出せない場合は、公開情報で同じ構成を再現した小さなデモが役立ちます。

ステップ4:案件紹介サービスに登録して面談に臨む

準備ができたら、生成AI案件を扱う紹介サービスに登録し、希望条件を伝えて面談に進みます。

PoCを本番化させた経験や、業務部門を巻き込んだ経験を具体的に話せると評価されやすくなります。

実装中心の案件はAI・データ領域に強いエージェントにも多く、上流の案件はExpertyのような紹介サービスで探すなど、性質の違う2〜3社を併用すると選択肢が広がります。

高単価の生成AI案件で求められるスキル

生成AI案件の募集要項には、特定のツール名よりも「何を成し遂げたか」を問う条件が並びます。

役割を問わず評価されやすいスキルを3つ紹介します。

生成AIの出力を評価する仕組みを作る力

生成AIの出力は毎回同じとは限らないため、良し悪しを判断する基準を先に決めることが重要です。

想定質問と模範回答のセットを用意し、正答率や根拠の妥当性を継続的に測れる人は、どの生成AI案件でも重宝されます。

感覚ではなく評価データで改善を示せるかどうかが、継続契約の分かれ目になります。

業務の言葉で要件を整理する力

生成AI案件で多い失敗は、技術的にはできているのに現場で使われないケースです。

誰が、どの場面で、何分短縮したいのかを業務部門と一緒に言語化し、小さく試して反応を見る進め方が求められます。

エンジニアであっても、業務フローを描いて効果を数字で説明できると、FDEやアーキテクトといった単価の高い案件に手が届きます。

本番運用まで見据えたクラウドとセキュリティの知識

エンジニア型の生成AI案件では、Pythonやクラウド上の生成AIサービスの利用経験が前提になることが多くあります。

あわせて、認証・認可やログ管理、入力してよい情報の線引きなど、本番運用に必要な知識があると、PoC止まりではない案件に応募できます。

経済産業省と総務省の「AI事業者ガイドライン」は2026年3月31日に第1.2版が公表されており、こうした指針を社内ルールに落とし込めることも評価につながります。

資格は必須ではありませんが、学習の道筋を示す材料になります。

参考:経済産業省|AI事業者ガイドライン検討会

「生成AI案件はPoCで終わる」を避けるための注意点

生成AI案件は新しい領域だからこそ、契約の前に確かめておくべき点があります。

短期で終わる案件やトラブルを避けるための注意点を整理します。

PoCの次に何を判断するのかを確認する

応募の前に、PoCの後に何を判断するのか、本番化の予算や体制は想定されているのかを確認しましょう。

この点があいまいな案件は、3か月程度の検証だけで終わることがあります。

継続を望むなら、PoCの段階で評価の基準と本番化の条件を発注側と合意しておくことが大切です。

情報の扱いと契約形態を書面で決める

生成AI案件では、発注企業の機密情報を外部のAIサービスに入力してよいかが大きな論点になります。

使えるツールや環境、データの持ち出し範囲は契約前に確認してください。

また、出力の精度を事前に保証しにくいため、成果物の完成に責任を負う請負契約より、業務の遂行に報酬が支払われる準委任契約で進めるほうが双方のリスクを抑えやすくなります。

副業で受けるなら個人向けの「AI副業」と区別する

「生成AI 副業」で検索すると、記事作成や画像制作などの個人向けの仕事が多く見つかりますが、企業向けの生成AI案件とは性質が異なります。

個人向けの仕事は始めやすい反面、単価が低く競争も激しい傾向があります。

本業の経験を活かして企業の生成AI案件に週1〜2日で関わる場合は、勤務先の就業規則と競業の有無を確認したうえで、範囲を区切りやすい助言や評価の案件から始めるとよいでしょう。

まとめ

生成AI案件は、RAG構築やAIエージェント開発、FDE、活用推進のコンサル、PM・PMO、ガバナンスまで役割の幅が広い領域です。

Expertyで公開中の35件では上限の中央値が138万円と、IT案件全体より高い水準にあり、業務への落とし込みや統制まで担える人ほど単価が上がります。

Expertyでは、消費財メーカーのAI-FDEや生成AI活用に向けた業務要件定義など、生成AIを現場で使える状態にするための案件を紹介しています。

コンサルティングファームの下請けではない案件を扱っているため、専門性に見合った報酬で参画を検討できます。

まずは、今の自分の経験が生成AI案件の市場でどう評価されるのか、Expertyに登録して案件を確認するところから始めてみてください。

記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。