フリーランスエンジニアの年収中央値は?年収2000万を稼ぐ方法も解説

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「フリーランスになれば会社員時代より稼げる」という話は、エンジニアであれば一度は耳にしたことがあるはずです。

一方で、実際にどのくらいの年収になるのかは、周囲に聞ける相手も少なく、なかなか見えてこないものではないでしょうか。

本記事では、フリーランスエンジニアの平均年収と年収中央値の実態、職種別・言語別の単価相場、年収2000万円を実現する条件、そして年収別の手取り額までを一通り整理します。

独立を判断する材料として、また今の単価が適正かを確かめる基準として、ぜひご活用ください。

フリーランスエンジニアの平均年収と年収中央値

フリーランスエンジニアの平均年収はおおむね600万〜800万円、年収中央値は500万〜600万円台が目安とされています。

まずは会社員エンジニアも含めた3つの数字を並べて、全体像から確認していきましょう。

区分 年収の目安
フリーランスエンジニアの平均年収 約600万〜800万円
フリーランスエンジニアの年収中央値 約500万〜600万円
会社員エンジニアの平均年収 約600万円前後(情報通信業の平均給与

※各種フリーランス向けサービスの公表データおよび国税庁「民間給与実態統計調査」をもとにした目安です。

参考:国税庁|民間給与実態統計調査

フリーランスエンジニアの平均年収の相場

フリーランスエンジニアの平均年収は、600万〜800万円のレンジで語られることが多くなっています。

これは、フリーランス案件の月額単価が60万〜100万円前後に集中しており、フル稼働(週5日)で12か月継続した場合の年間報酬がこの水準に収まるためです。

たとえば月額単価65万円の案件を1年間継続すれば年間780万円、月額単価50万円であれば600万円という計算になります。

会社員時代の年収と比べて数字が大きく見えるのは、この金額が「経費・税金・社会保険料を差し引く前の売上」だからという点は押さえておきたいところです。

参考:国税庁|民間給与実態統計調査

年収中央値が平均年収より低くなる理由

実態に近い数字を知りたい場合は、平均年収ではなく年収中央値を見ることをおすすめします。

平均値は、年収1500万円や2000万円といった一部の高単価層に引き上げられてしまい、ボリュームゾーンの実感とずれるためです。

実際、フリーランスエンジニアの分布は500万〜700万円台に厚みがあり、そこへ少数の高年収層が加わることで平均が押し上げられる構造になっています。

「平均が700万円だから自分も700万円稼げるはず」と考えるのではなく、中央値である500万〜600万円台を出発点に、そこからどう上積みするかを設計する方が現実的です。

会社員エンジニアとの年収比較

会社員エンジニアと比べると、フリーランスの年収は額面ベースで100万〜200万円ほど高くなる傾向があります。

国税庁の民間給与実態統計調査では、給与所得者全体の平均給与は460万円前後、情報通信業は600万円前後と、業種別でも上位に位置しています。

ただし会社員には、社会保険料の会社負担、有給休暇、賞与、退職金といった見えにくい待遇が含まれています。

額面の差だけで判断せず、後述する手取り額まで含めて比較することが、独立の判断を誤らないためのポイントです。

【職種別・言語別】フリーランスエンジニアの単価相場

フリーランスエンジニアの年収は、月額単価によってほぼ決まります。

自分がどのレンジにいるのかを把握するため、職種別・言語別の相場を確認しておきましょう。

職種別の単価相場

職種別で見ると、上流工程に関わるほど単価が高くなる傾向がはっきりと表れます。

職種 月額単価の目安 年収換算(12か月)
PM・PMO 80万〜120万円 960万〜1440万円
データサイエンティスト・機械学習 70万〜120万円 840万〜1440万円
セキュリティエンジニア 70万〜110万円 840万〜1320万円
バックエンドエンジニア 65万〜95万円 780万〜1140万円
モバイルアプリエンジニア 65万〜100万円 780万〜1200万円
インフラ・SRE 60万〜95万円 720万〜1140万円
フロントエンドエンジニア 60万〜90万円 720万〜1080万円
QA・テストエンジニア 45万〜70万円 540万〜840万円

要件定義やプロジェクト管理は、代替できる人材が限られ、成果がプロジェクト全体の成否に直結するためです。

同じ開発案件でも、実装のみを担当するポジションと、要件定義から設計・実装まで一貫して任されるポジションでは、月額単価に20万〜30万円の差がつくことも珍しくありません。

年収を伸ばしたいのであれば、担当する工程を実装から上流へ広げていく視点が有効です。

言語別の単価相場

言語別では、GoやScala、Pythonといった、需要に対して経験者が少ない言語の単価が高くなっています。

言語 月額単価の目安
Go 70万〜110万円
Scala 70万〜110万円
Python 65万〜100万円
Kotlin/Swift 65万〜100万円
Java 60万〜95万円
TypeScript/JavaScript 60万〜90万円
Ruby 60万〜90万円
C# 55万〜85万円
PHP 55万〜80万円

単価は技術の難易度ではなく、市場における需給バランスで決まるためです。

GoはSaaSやマイクロサービス基盤で、PythonはAI・データ分析領域で採用が拡大した一方、実務経験を数年単位で積んだエンジニアの母数がまだ追いついていません。

逆にPHPやJavaは案件数そのものは豊富ですが、経験者も多いため、単価レンジは中位に落ち着きやすくなります。

月額単価から年収を試算する考え方

想定年収は「月額単価 × 稼働月数」で概算できます。

フリーランスには賞与がなく、報酬が毎月の稼働に連動するため、この掛け算がそのまま年間売上になるからです。

月額単価75万円の案件を12か月継続すれば年間900万円、契約の切れ目で1か月の空白が生まれれば825万円と、稼働月数がそのまま年収に反映されます。

案件を探している期間は無収入になるため、単価の高さと同じくらい「継続して稼働できるか」が年収を左右します。

フリーランスエンジニアの年収を左右する4つの要因

同じスキルを持つエンジニアでも、年収に2倍近い差がつくことがあります。

その差を生んでいるのは、次の4つの要因です。

実務経験年数と実績

単価を最も大きく左右するのは、実務経験年数と、そこで積み上げた実績です。

クライアントは短期間で戦力になる人材を求めており、経験年数は立ち上がりの速さを測る最もわかりやすい指標として機能します。

実務経験1〜2年では参画できる案件そのものが限られ、月額単価も40万〜55万円程度にとどまりがちですが、3年を超えると選べる案件が一気に広がり、5年以上で上流工程を任された経験があれば80万円以上のレンジが視野に入ります。

経験年数は自分で操作できませんが、どの規模のプロダクトで、どの工程を、どこまで任されたかは案件選びで積み上げられます。

スキル領域の市場需要

年収は、スキルの高さそのものではなく、そのスキルが置かれた市場の需要で決まります。

需要が供給を上回っている領域では、クライアントが単価を引き上げてでも人材を確保しようとするためです。

近年ではクラウドインフラ、生成AI・LLM関連の開発、セキュリティといった領域で人材不足が続いており、同程度の経験年数でも他領域より10万〜20万円高い単価が提示されるケースがあります。

自分の得意領域が今どの需給フェーズにあるのかを定期的に確認しておくことが、単価の頭打ちを防ぎます。

稼働形態と稼働日数

稼働形態と稼働日数も、年収に直結する要因です。

フリーランスの報酬は稼働量に連動するため、週3日稼働は週5日稼働の6割程度の報酬水準になるのが基本だからです。

月額単価90万円の案件でも、週3日契約であれば月額54万円前後となり、年収換算では650万円ほどになります。

また週5日稼働では原則1社に専念することになり、他案件を並行しにくくなるため、単価の高さと時間の自由度のどちらを優先するかを決めておく必要があります。

商流の深さとエージェント手数料

独立検討者が最も見落としやすいのが、商流の深さとエージェント手数料です。

エンドクライアントが支払う金額は同じでも、間に入る企業が増えるほど中間マージンが差し引かれ、手元に残る金額が減っていくためです。

たとえばエンドクライアントの発注額が100万円でも、2社を経由すれば1社あたり10〜15%が抜かれ、実際に受け取る金額は75万円前後まで下がります。

同じ働き方で年間300万円近い差が生まれるため、案件を選ぶ際は単価そのものだけでなく、「何社経由の案件か」「手数料率は開示されているか」を必ず確認しましょう。

フリーランスエンジニアは年収2000万を実現できるか

年収2000万円は、実現可能ではあるものの、到達しているエンジニアはごく少数です。

前提として、業務委託の準委任契約だけで積み上げるのは現実的に難しいという点から押さえていきましょう。

業務委託のみで年収2000万が難しい理由

準委任契約による常駐・リモート案件のみで年収2000万円に届かせるのは、構造的にかなり困難です。

準委任契約の報酬は投下した稼働時間に比例するため、1人が働ける時間の上限が、そのまま年収の上限になってしまうからです。

年収2000万円を達成するには月額単価166万円が必要になりますが、この水準の単価が提示されるのは、専門性が極めて高いごく一部のポジションに限られます。

時間を売るモデルである以上、単価と稼働日数の掛け算だけでは、1000万円台前半あたりで頭打ちになりやすいのが実情です。

年収2000万を実現しているエンジニアの収入構造

年収2000万円に到達しているエンジニアの多くは、複数の収入源を組み合わせています。

稼働時間に連動しない収入を持つことで、年収の上限を自分の労働時間から切り離せるためです。

具体的には、週3〜4日の準委任案件で月60万〜80万円の基盤収入を確保しつつ、受託開発を法人として請け負って利益を上乗せする、自社サービスやSaaSの月額収入を積み上げる、技術顧問として複数社と契約する、といった組み合わせが典型的なモデルです。

いずれも開発以外の営業・管理業務が発生するため、エンジニアリング以外の負荷を引き受ける覚悟が前提になります。

年収1000万と年収2000万の壁の違い

年収1000万円と2000万円の壁は、性質がまったく異なります。

1000万円は「単価を上げる」という延長線上で越えられますが、2000万円は「収入モデルそのものを変える」必要があるためです。

月額単価83万円で12か月稼働すれば年収1000万円に届くため、スキルを高め、商流の浅い案件を選ぶという積み重ねで到達できます。

一方2000万円は、自分以外のリソース(チーム・プロダクト・仕組み)に稼いでもらう構造を作らなければ届かず、事実上、フリーランスから経営者への移行が求められる水準といえます。

フリーランスエンジニアが年収を上げる5つの方法

年収を伸ばすための現実的な打ち手は、次の5つに整理できます。

取り組みやすさと影響度が異なるため、自分の状況に合うものから着手してください。

  • 高需要スキルを習得する(難易度:中/影響度:大)
  • 単価交渉を継続的に行う(難易度:低/影響度:中)
  • 商流の浅い案件を選ぶ(難易度:低/影響度:大)
  • 複数の収入源を確保する(難易度:高/影響度:大)
  • 実績を可視化して信頼を積み上げる(難易度:低/影響度:中)

高需要スキルを習得する

年収を大きく動かしたいのであれば、需要が供給を上回っている領域のスキル習得が最も効果的です。

単価は需給で決まるため、人材が不足している領域に移るだけで、同じ経験年数でも提示単価が変わるからです。

たとえばWebアプリケーション開発の経験者がクラウドインフラの設計・構築まで担えるようになると、扱える案件の幅が広がり、月額単価で10万〜20万円の上積みが期待できます。

すでに持っているスキルに隣接する領域から広げると、実務経験としてアピールしやすく、習得の負荷も抑えられます。

単価交渉を継続的に行う

契約更新のタイミングでの単価交渉は、最も取り組みやすく、効果が出るまでが早い方法です。

こちらから申し出ない限り、単価は自動的には上がらないためです。

半年から1年の稼働で担当範囲が広がっていれば、「参画時よりレビューや後輩指導まで担っている」「障害対応の一次窓口を引き受けている」といった事実を根拠に、月額3万〜5万円の増額を打診できます。

感覚ではなく、担当領域の変化という具体的な事実をもとに交渉することが、通しやすさにつながります。

商流の浅い案件を選ぶ

すでに稼働している人にとって、最も即効性があるのが商流の見直しです。

スキルを新たに習得しなくても、中間マージンが減った分がそのまま報酬に反映されるためです。

3次請けの案件から、エンドクライアントと直接契約する案件、あるいは元請け1社のみを経由する案件へ切り替えるだけで、同じ業務内容でも月額10万〜20万円の差が生まれることがあります。

案件を紹介してもらう際は、商流の段数と手数料率を必ず確認しておきましょう。

複数の収入源を確保する

年収1000万円の壁を越えたい場合は、収入源を複線化する必要があります。

準委任契約1本では、稼働時間の上限がそのまま年収の上限になってしまうからです。

まずは週5日稼働を週4日に切り替えて空いた時間で受託開発を請け負う、技術記事や登壇で認知を広げて技術顧問の依頼につなげる、といった段階的な進め方が現実的です。

いきなり本業を減らすのではなく、副業として小さく始めてスキル領域を広げることで、リスクを抑えながら second income を育てられます。

実績を可視化して信頼を積み上げる

実績を第三者が確認できる形にしておくことは、単価交渉の土台になります。

クライアントは初回の面談だけで実力を判断しなければならず、判断材料が多いほど高い単価を提示しやすくなるためです。

職務経歴書に「担当工程」「チーム規模」「使用技術」「改善した数値」を具体的に記載する、GitHubで公開できる成果物を整える、資格や登壇歴を残しておくといった積み重ねが有効です。

守秘義務のある案件でも、数値を丸めたり抽象化したりすれば実績として提示できます。

フリーランスエンジニアの年収別の手取り額

フリーランスの年収は、額面と手取りの差が会社員よりも大きくなります。

年収別の手取り目安を確認しておきましょう。

年間売上(額面) 手取りの目安 手取り率の目安
600万円 約430万円 約72%
800万円 約540万円 約68%
1000万円 約660万円 約66%
2000万円 約1190万円 約59%

※青色申告特別控除65万円を適用、経費ゼロ、独身・扶養なし・40歳未満、国民健康保険(東京23区水準)・国民年金・所得税・住民税・個人事業税を差し引いた概算です。消費税は含みません。実際の金額は自治体・扶養状況・経費額によって変動します。

年収から手取りを計算する仕組み

手取りは「年間売上 − 経費 − 社会保険料 − 税金」で求められます。

会社員のように源泉徴収で完結せず、自分で計算して納付する仕組みだからです。

年間売上から必要経費を差し引いて所得を算出し、そこから国民健康保険料と国民年金保険料、所得税、住民税、事業所得290万円超にかかる個人事業税を順に差し引いた残りが、実際に自由に使えるお金になります。

売上が大きいほど累進課税で税率が上がるため、手取り率は年収が上がるほど下がっていく点も押さえておきましょう。

会社員より手取り率が下がる理由

同じ額面でも、フリーランスの手取り率は会社員より低くなります。

会社員は健康保険料と厚生年金保険料を会社と折半していますが、フリーランスは全額を自己負担するためです。

さらに、事業所得が290万円を超えると個人事業税がかかり、年間売上が1000万円を超えれば消費税の課税事業者となる可能性もあります。

額面が会社員時代の1.3倍になったとしても、手取りでは大きく変わらないケースがあるため、独立の判断は手取りベースで行うことをおすすめします。

手取りを増やす経費・控除の活用

手取りを増やす現実的な手段は、経費と控除を正しく使い切ることです。

課税対象となる所得を圧縮できれば、所得税・住民税・国民健康保険料のすべてが同時に下がるためです。

具体的には、複式簿記による青色申告で65万円の特別控除を受ける、業務用のPCや書籍・通信費・自宅家賃の按分を経費計上する、小規模企業共済(掛金全額が所得控除)やiDeCoを活用するといった方法が挙げられます。

いずれも証憑の保存が前提になるため、開業初年度から会計ソフトで記帳する習慣をつけておくと安心です。

まとめ

フリーランスエンジニアの年収は平均600万〜800万円、実態に近い中央値は500万〜600万円台が目安です。

単価は職種と言語の需給で決まり、年収を左右するのは経験年数・スキル領域・稼働日数、そして見落としやすい商流の深さでした。

年収2000万円は複数の収入源を組み合わせて初めて届く水準ですが、商流の浅い案件を選び、高需要スキルを積み上げていけば、会社員時代を大きく超える年収は十分に実現できます。

まずは自分の市場価値と単価相場を確認するところから始めてみてください。

コロニーの「Experty」では、商流の浅い高単価案件のご紹介と、年収設計を含めたキャリア相談を承っています。

記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。