AWSフリーランスの単価相場|認定資格別の案件と必要な実務経験

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AWSのスキルを持つエンジニアは、フリーランスの案件市場で最も需要が厚い層の一つです。

一方で、AWSを扱えるエンジニアが増えたことで「AWSが使える」というだけでは差がつきにくく、どのサービスを、どの工程で、どの規模で扱ってきたかによって単価が大きく変わります。

本記事では、公開されている単価データとAWS公式の認定情報、コロニーが運営するExpertyで公開中の案件をもとに、AWSフリーランスの単価相場と、資格・経験による案件の違い、独立の手順を解説します。

Azure・Google Cloudを含むクラウド全般の案件の違いは、クラウドエンジニアのフリーランス記事で扱っています。

「AWSフリーランスは稼げない」は本当か?単価と働き方

「AWSができる人は増えすぎて単価が下がっている」という声もありますが、実際の募集を見ると、AWSの知識を上流の役割に活かせる人には高い単価が提示されています。

AWSフリーランスの単価と年収の目安

コロニーが運営するExpertyで2026年10月6日時点に公開されている案件189件のうち、案件本文や応募条件にAWSの記載がある案件は20件ありました。

20件の月額単価は、下限の中央値が92万円、上限の中央値が128.5万円で、20件中16件で上限が100万円以上でした。

インフラ領域全体(48件)の下限の中央値90万円をわずかに上回っており、AWSの知識は上流の案件でも評価の対象になっています。

下限の92万円で12か月稼働すると売上は1,104万円で、税金・社会保険料・経費を差し引いた手取りは売上の7割前後が目安です。

AWSフリーランス案件の働き方とリモート条件

AWSの記載がある20件の勤務形態は、一部リモートが16件、常駐が3件、フルリモートが1件でした。

物理的な機器の作業がないため、インフラ系の中では在宅勤務を組み合わせやすい一方、顧客との定例や重要な切替のために出社日を設ける案件が多数派です。

稼働率100%未満から相談できる案件も20件中7件あり、上流の役割では稼働日数を抑えて参画する働き方も選択肢になります。

AWSフリーランス案件で需要が厚いサービス領域

同じAWSの案件でも、中心となるサービスによって求められる経験は大きく異なります。

EC2やVPCを使った移行・ネットワーク設計の案件では、オンプレのネットワークやサーバーの知識がそのまま評価されます。

ECSやEKSを使ったコンテナ基盤、Lambdaを中心としたサーバーレスの案件では、アプリケーション開発者と一緒に基盤を設計する力と、IaCでの環境管理が前提になります。

最近はAmazon Bedrockを使い、社内の文書を参照して回答する仕組みを構築する生成AIの案件も増えており、AWSの基盤設計と業務への適用の両方を語れる人が重宝されています。

自分がどのサービス領域で強みを持っているのかを言語化しておくと、案件選びと単価交渉の軸が定まります。

AWSフリーランス案件の実態と具体的案件例

コロニーが運営するExpertyで2026年10月6日時点に公開されている案件のうち、案件本文や応募条件にAWSの記載がある案件は20件ありました。

20件の月額単価の上限値は67万〜162万円に分布しています。

案件の内容を見ると、AWSの構築そのものよりも、クラウド移行の戦略策定、セキュリティの評価、生成AIの業務適用など、AWSの知識を前提にした上流の役割が中心でした。

具体的にどのような役割で募集されているのか、案件の傾向を3つに分けて見ていきます。

AWSの知識を移行戦略やPMOに活かす案件

海外拠点を含むクラウド移行が停滞している企業で、原因を整理し、移行戦略をまとめる案件などがこのタイプです。

必須条件には、IT PMOの経験とAWSの知識・実務経験が並び、構築作業よりも、移行をどう進めるかを描いて資料にまとめる力が求められます。

月額単価の上限は120万円台が中心で、フルリモートで参画できる案件もありました。

AWSを含むクラウドのセキュリティを評価する案件

セキュリティコンサルティングの中で、ID管理・ネットワーク・クラウドの技術的な対策を整理し、改善策とロードマップを提案する案件です。

AWS・Azure・Google Cloudのクラウドセキュリティの知識が歓迎条件に挙がっており、AWSの構築経験をセキュリティの評価に活かせる領域です。

Security – Specialtyを持つ人にとっては、資格と実務の両方を評価してもらいやすい案件といえます。

Amazon Bedrockで生成AIを業務に組み込む案件

Amazon Bedrockを使い、社内の文書を参照して回答する仕組み(RAG)を設計・開発し、業務プロセスの改善につなげる案件です。

AWSの基盤構築に加えて、PythonやTypeScriptでの開発経験、業務ヒアリングを踏まえた要件定義の経験が求められます。

AWSのインフラ経験を持つ人が生成AIの知識を上乗せすると、需要の伸びている領域で単価を上げやすくなります。

いずれのタイプも、公開中の案件は時期によって入れ替わるため、最新の募集はExpertyの案件一覧で確認してください。

Experty|フリーランス案件一覧を見る

AWS認定資格でAWSフリーランスの案件はどう変わる?

AWS認定は、フリーランスの書類選考でスキルの水準を伝える材料として有効です。

AWS公式で公表されている試験の概要と、フリーランス案件での位置づけを比較すると次のようになります。

AWS認定

試験時間・問題数

受験料

公式の推奨経験

フリーランス案件での位置づけ
Solutions Architect – Associate 130分・65問 150USD AWSでの設計経験1年以上が望ましい 構築・運用案件の前提として見られやすい
CloudOps Engineer – Associate 130分・65問 150USD AWS上のデプロイ・管理・運用の経験1年程度 運用・監視の案件と相性がよい
Solutions Architect – Professional 180分・75問 300USD 設計・実装の経験2年以上 設計・移行案件で強いアピールになる
DevOps Engineer – Professional 180分・75問 300USD AWS環境の運用・管理経験2年以上 CI/CD・自動化の案件で評価される
Security – Specialty 170分・65問 300USD ITセキュリティ5年・AWSのセキュリティ2年以上 セキュリティ評価・設計の案件で有利
Advanced Networking – Specialty 170分・65問 300USD ネットワーク経験5年以上など ハイブリッド接続の案件で有利

※試験時間・問題数・受験料・推奨経験はAWS公式の各認定ページの記載(2026年10月6日確認)。

CloudOps Engineer – Associateは、公式でSysOps Administrator – Associateの旧称が併記されている運用系の認定です。

参考:AWS|AWS認定
参考:AWS|AWS Certified Solutions Architect – Professional

Solutions Architect – Associateは応募条件に挙げられることが多い一方、保有者も多いため、それだけで単価が大きく上がることは期待しにくい資格です。

単価に効きやすいのは、公式でも2年以上の実務経験が推奨されているProfessionalの資格と、セキュリティやネットワークの専門性を示せるSpecialtyの資格です。

資格の名前だけでなく、資格に対応する実務経験を経歴書で具体的に示すことが、単価交渉の材料になります。

未経験からでも目指せる?AWSフリーランスになる4ステップ

AWSの資格だけを取って、実務経験なしでフリーランスの案件を受けるのは難しいのが実情です。

会社員としてAWSの構築や運用を1〜2年以上経験したAWSエンジニアであれば、次の手順で独立に近づけます。

  • 扱ったサービスと工程の棚卸し
  • 経歴書の書き直し
  • 上位資格による裏付け
  • 単価の確認と独立準備

ステップ1:AWSエンジニアとして扱ったサービスと担当工程を棚卸しする

これまでに担当したAWSの案件を、サービス・アカウント数や環境数などの規模・担当工程ごとに書き出します。

構築が中心なのか、設計や移行まで経験しているのかによって、狙うべき案件の単価帯が変わります。

監視やバックアップの設計、障害対応の手順づくりといった運用面の経験も、移行後の安定稼働を任せられる根拠として書き出しておきましょう。

ステップ2:規模と成果が伝わる経歴書に書き直す

「EC2とRDSで構築」と書くだけでは、ほかの応募者との違いが伝わりません。

「本番・検証の3アカウント構成をTerraformで管理し、月額利用料を2割削減」のように、規模と成果が一文で分かる書き方に整えておきましょう。

ステップ3:上位資格で経験を裏付ける

Solutions Architect – Associateを持っている場合は、担当領域に合わせてProfessionalやSpecialtyの資格を目指しましょう。

設計・移行を狙うならSolutions Architect – Professional、自動化やCI/CDを狙うならDevOps Engineer – Professional、専門性で勝負するならSecurityやAdvanced NetworkingのSpecialtyが目安です。

上位資格は、経歴書に書いた実務経験を第三者の基準で裏付ける材料になります。

ステップ4:単価の水準を確認し、開業の準備を進める

エージェントや案件サイトに登録し、今の経歴で紹介される単価を確認します。

あわせて、開業届と青色申告承認申請書を提出し、請求や経費管理に使う口座と会計ソフトを、最初の請求が発生する前に整えておくと安心です。

「AWSフリーランスは怖い」を避けるための注意点

AWSの案件には、クラウドならではの注意点があります。

アカウントの権限と事故時の扱いを確認する

AWSの管理権限があれば、一つの操作で本番環境を止めることも、大量の費用を発生させることもできます。

付与される権限の範囲と、誤操作による障害や費用が発生したときの扱いを、参画前に契約書で確認しておきましょう。

利用料のアラートを最初に確認する

検証用リソースの消し忘れや想定外の通信によって、利用料が急に増えることがあります。

費用のアラートが設定されているかを参画直後に確認するだけでも、顧客からの信頼が変わります。

副業で受けるなら利益相反に注意する

会社員のまま副業でAWSの案件を受ける場合は、就業規則と本業の顧客との利益相反を確認したうえで、短時間で完結する設計レビューなどから始めるのが安全です。

まとめ

Expertyで公開されているAWS関連の案件は、月額単価の下限の中央値が92万円、上限の中央値が128.5万円と、インフラ系の中でも条件のよい領域です。

一方で、資格と構築経験だけでは差がつきにくく、Expertyで公開されている案件のように、AWSの知識を移行戦略やセキュリティ評価といった上流の役割に活かせる人ほど高い単価が提示されています。

扱ったサービスと担当工程を棚卸しし、Professionalなどの上位資格で経験を裏付けてから独立すると、最初の案件から条件を選びやすくなります。

コロニーが運営するExpertyでは、クラウド移行の戦略策定や生成AIの業務適用など、AWSの知識を活かせる上流寄りの案件を公開しています。

まずは、今の自分の経験が市場でどう評価されるのか、Expertyに登録して案件の条件を確認するところから始めてみてください。

記事監修者の紹介

アメリカの大学を卒業後、株式会社NTTデータに入社。
コンサルティングファームへ転職しデロイトトーマツコンサルティング・楽天での事業開発を経て、取締役COOとして飲食店関連の会社を立ち上げ。
その後、コロニー株式会社を創業。